こんにちは、BIZROVEのmanihoです!
今回は「カスタマージャーニー」についてのご紹介です。
「カスタマージャーニーという言葉を聞いたことがあるけど、内容や活用方法が分からない…」と悩んでいるEC担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、カスタマージャーニーの意味や活用方法などを分かりやすく解説します。
カスタマージャーニーについてよく分からず困っているEC担当の方にとっては必見となっておりますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。^^
1.カスタマージャーニーとは?
はじめに、そもそもカスタマージャーニーとは何か?という部分について説明していきます。
カスタマージャーニーとは、直訳すると「顧客の旅」になりますが、マーケティングで使われる意味としては「顧客が購入するまでのプロセスと意思決定までの流れ」のことです。顧客が商品やサービスを認知し、購入し、購入後に使用して廃棄するまでの一連の購買行動を「旅」にたとえたものになります。
また、顧客の一連の購買行動であるカスタマージャーニーを時系列的にまとめたものをカスタマージャーニーマップと言います。カスタマージャーニーマップでは、一連の購買行動における顧客の心理や感情を考えながら、顧客目線で顧客の行動プロセスを可視化します。
2.カスタマージャーニーのメリット
カスタマージャーニーを設定するメリットを以下で3つ紹介します。
①顧客を深く理解することで、顧客目線で自社の商品やサービスを捉えることができる
カスタマージャーニーを設定することで、顧客への理解が深まり、顧客目線で自社の商品やサービスを捉えることができます。カスタマージャーニーを設定するうえでは、担当者自身が1人の顧客になったつもりで顧客行動を考えます。そのことにより、自然と顧客目線に立つことができます。
普段のマーケティング業務では、Web担当、店頭の販促担当、SNSプロモーション担当など役割が決まっていることが多いため、どうしても自分の役割を軸に考えてしまいがちです。そうなると、自分の担当領域の目標を達成することを重視するあまり、大切な顧客目線がおろそかになってしまう可能性があります。
上記のような自社目線にならないためにも、カスタマージャーニーを設定することは重要です。
顧客目線に立つことで、顧客の求めている情報を適切に提供でき、結果として売上拡大につなげることができるでしょう。
②共通の視点を持つことで迅速な意思決定ができる
カスタマージャーニーは迅速なメンバー間での意思決定にも役立ちます。
同じ顧客目線で一連の購買行動を可視化するため、担当の異なるメンバー同士でも共通の視点を持つことができます。共通の視点を持つことで、スムーズな情報共有やコミュニケーションを図ることができます。
また、新しい要員がマーケティング担当に入ったきた場合でも、カスタマージャーニーが設定されていればスムーズに共通認識が持てるメリットも生まれます。つまり、共通の顧客目線で顧客行動を可視化することで、担当が入れ替わってもコミュニケーションの精度を保つ効果が見込めます。
③KPIが明確になる
カスタマージャーニーではKPI(重要業績評価指標)が明確になる点もメリットと言えます。
カスタマージャーニーを設定する際は、顧客の各購買プロセス(認知・関心・比較検討・購入など)を明確に可視化していきます。この可視化された情報は、KPIを設定するうえでも大いに役立ちます。
たとえば「商品Aの売上アップ」に向けたマーケティング施策を考える場合、KPIを認知プロセスに設定するのか、購入プロセスに設定するのかで大きく異なります。前者であればインプレッション数を増やす施策につながりますが、後者であればコンバージョン率(CVR)を上げるための施策になります。
3.カスタマージャーニー作成における注意点
続いて、カスタマージャーニーを設定する際の注意点を以下で3つご説明します。
①作成に時間がかかる
カスタマージャーニーの設定には時間がかかります。顧客の行動をしっかりと把握し、精度の高いカスタマージャーニーマップを作成していくためには、顧客へのヒアリングやアンケートも必要になるからです。
担当者の想像だけでカスタマージャーニーマップを作成することも可能ですが、その場合は机上だけでの検討になるため、実際の顧客の考えや行動とは乖離してしまう恐れがあります。顧客の生の声をヒアリングやアンケート調査で収集しないと、中途半端なカスタマージャーニーマップが作成され、結果的にマーケティングの成果が出にくくなってしまいます。
そのため、カスタマージャーニーを設定する際はある程度時間をかけてでもしっかりと作り込むことが大切です。
②作成者の都合の良い内容になってしまう傾向がある
カスタマージャーニーを設定する際に、作成者側の都合の良い内容になってしまう可能性があります。先ほど顧客へのヒアリングやアンケート調査も大切という話をしました。しかし、必ずしもすべての顧客行動プロセスにおいて顧客の生の声を集められるわけではありません。
顧客から情報を集められない部分は、作成者側で想定を置いて考えていく必要が出てきます。当然ですがマーケティングの成功を目指してカスタマージャーニーマップを作成するので、どうしてもうまくいくシナリオを描いてしまう傾向があります。
なるべく中立的なカスタマージャーニーを設定するためにも、「顧客は本当にそう思うだろうか?」ということを複数の担当者で議論しながら具体化していくとよいでしょう。
③作成後もアップデートが必要になる
カスタマージャーニーは1度設定したら終わりではありません。作成後も定期的にアップデートする必要があります。なぜなら、顧客の購買行動は時間が経つにつれて変化していくからです。
たとえば、10年前の購買行動と現在の購買行動は同じではありませんよね。現在ではさまざまなSNSが普及し、顧客の購買チャネルは多様化しています。そのため、10年前に描いたカスタマージャーニーマップをそのまま現在使っても、効果の高いマーケティング施策につなげることは難しいでしょう。
また、最初に作成したカスタマージャーニーマップがすべて正しいとは限りません。実際にマーケティング施策を実行していくなかで、仮説が正しくなかった部分などは都度修正を行っていくことが重要です。
4.カスタマージャーニーマップの作成方法
では、実際にカスタマージャーニーはどのように考えていけば良いのでしょうか。
ここでは、カスタマージャーニーマップを作成する手順について説明します。
【カスタマージャーニーマップの作成手順】
- 目標を設定する
- ペルソナを設計する
- ターゲットを絞り込む
- ターゲットとの全てのタッチポイントを洗い出す
- 購入プロセス毎の顧客の気持ち・行動・接点・次のプロセスへ移行するための方法を整理する
- 顧客の気持ちや行動がストーリーとなるように結びつける
1.目標を設定する
まずは、カスタマージャーニーマップを何のために作成するのか目標設定を行います。目標を設定しておかないと、何のための分析か途中でぶれてしまうため、最も重要な手順だと言えるでしょう。
例)新しい商品の顧客を獲得したい。どのようなターゲットが明確なのか理解して適切なターゲットにPRを行いたい
例)定期購入の顧客の解約率を下げたい。
2.ペルソナを設計する
目標設定ができたら、次に商品やサービスを利用しているペルソナを特定します。
ぺルソナ設計とは、具体的な1人の顧客像を明確にイメージするターゲット選定手法です。
ペルソナでは年齢や性別などの基本属性に加えて、生活パターンや価値観、インターネット利用状況といった細かい行動様式まで具体化していきます。
意見がかたよらないよう、3~5パターンくらいのペルソナ設計をしておくと良いでしょう。
3.ターゲットを絞り込む
設計したペルソナの中から、どのペルソナが最もターゲットにふさわしいかを決定します。
商品やサービスの特徴・ポイントと、ペルソナのニーズがマッチしていることがポイントとなります。
4.ターゲットとの全ての接点を洗い出す
ターゲットが決定したら、顧客・見込み顧客との接点を洗い出します。
【接点の例】
オンライン:商品ページ画像、SNS、メルマガ、Web広告、DM、レビューの閲覧、 etc…
オフライン:実店舗、手紙、知人の口コミ、商品購入時の包装 etc…
5.購入プロセス毎の顧客の気持ち・行動・接点・次のプロセスへ移行するための方法を整理する
オンラインにおける顧客の購買ステージは、一般的に以下のようなプロセスを踏むと言われています。
【顧客の購買プロセス~AISASモデル~】
Attention(注目)・・・商品やサービスの存在を知る
Interest(興味)・・・商品やサービスに興味を持つ
Search(検索)・・・商品やサービスについてネットで検索する
Action(行動)・・・実際に商品やサービスを購入する
Share(共有)・・・商品やサービスの評価や感想を投稿する(レビュー)
各プロセス毎の接点や顧客の気持ち・行動を整理し、次のプロセスに移行するための必要事項を整理します。
6.顧客の気持ちや行動がストーリーとなるように結びつける
ここまで来たらもう1歩です。最後に、整理したターゲットの気持ち・行動がストーリーになるように結びつけます。ストーリーができたら、目標(KPI)に基づいた、接点毎の改善策が見えてくるはずです。
5.カスタマージャーニーの活用ポイント
続いて、カスタマージャーニーのおもな活用ポイントについて3つ紹介します。
①はじめから作り込みすぎない
カスタマージャーニーマップの作成は時間がかかるため、最初から作り込みすぎないことがポイントです。実際にマーケティング施策を実行して仮説を検証しないとわからないことも多いため、最初から完璧に仕上げることは現実的ではありません。
よって、まずは大きなフレームワークを描いて、詳細は都度アップデートしていくような進め方が効率的です。
②複数の担当者で議論する
カスタマージャーニーを設定する際は、作成側の都合の良いストーリーになってしまう傾向があります。特定の担当者だけで作成している場合は特に注意しましょう。
なるべく複数の担当者の目を通すことで、客観的な視点を保つことにつながります。
③作成した後のメンテナンスまで考えておく
カスタマージャーニーマップは作成することがゴールではありません。顧客行動を正しく可視化し、効果的なマーケティング施策につなげていくことが目的です。
そのためには、作成した後もメンテナンスを続けていくことが大切です。カスタマージャーニーをアップデートしていくための体制や工数なども計画しておきましょう。
6.まとめ
今回は、「カスタマージャーニー」について解説しました。
カスタマージャーニーは、商品やサービスに対する顧客の一連の購買行動を「旅」にたとえた考え方のフレームワークです。
カスタマージャーニーは顧客目線で購買行動を検討できるメリットなどがあります。ただし、マーケティング施策の結果を踏まえて継続的にアップデートしていくことが大切です。
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