こんにちは、BIZROVEのです!
今回は「ASP」について解説します。
ASPはECを行う上で不可欠なインターネット・サービスになりつつあります。
ASPを使えば低コストでECを始められるので、EC事業者もこれからECを始めようとする人も、ぜひこの記事でASPの基礎知識を身につけてください。
1.ASPとはネットでソフトを提供するサービス
Application Service Provider(ASP)は、インターネット経由でソフトやアプリ、システムを使うことができる仕組みです。またASPサービスを提供している業者のことをASPと呼ぶこともあります。
ASPで提供されているソフト・アプリ・システムは多岐にわたり、財務会計、給与計算、営業管理、顧客管理、販売管理、在庫管理などがあります。
このようなシステムをインターネットで提供するサービスは、クラウドとも呼ばれます。
ASPはクラウド・サービスの一種です。
そして、ECのカートシステムなどもASPで提供されています。
大企業であればECシステムを自社で構築することができますが、中小企業や個人事業主、副業でECを始めようとしている会社員は、自分でECシステムをつくることは難しいでしょう。
しかしASP型のECシステムなら、中小企業や個人事業主でも簡単に自社サイトを作成することができ、更に月額数千円で利用することが可能です。
2.ECでよく使われている「ASP型ECカート」とは
EC事業で使われているASPについて解説します。
ECのカートシステムのことを「ECカート」といいます。ECカートを使えばインターネット上に店を開くことができ、商品の紹介、販売、決済が行えます。
ECカートを、EC事業をする企業や個人にインターネット経由で提供するのがASP型ECカートです。
ASP型ECカートには、ベイス株式会社(本社・東京都港区)が運営するBASE(ベイス)や、ショッピファイ・ジャパン株式会社(本社・シンガポール)が運営するshopify(ショッピファイ)などがあります。
BASEを利用しているECはすでに170万店になり、そのジャンルはファッション、インテリア、食品、エンタメ、レジャー、ハンドメイドなど多岐にわたります。
BASEなら無料でECサイト(オンラインストア)を開設でき、無料で商品を紹介することができます。BASE料金が発生するのは、商品が売れたときです。
EC事業者は売上に対してBASEに手数料を支払います。
基本的にはサービス利用料として送料含む売上の3%、加えて、BASEが指定する6種類の方法からの決済の場合はさらに1回の購入額から3.6%+ 40円の決済手数料が発生します。
shopifyもBASEと似たようなサービス内容になっていますが、shopifyは、予め用意された種類豊富なテンプレートや、海外でのオンライン販売にも対応している等の特徴があります。
但し、shopifyは商品が売れなくても固定費月額3,000円ほどの料金がかかることに注意しましょう。
(プランにより料金は異なります。)
BASEもshopifyも、決済機能がついています。つまり、ECサイトを訪れたお客様が商品を購入すれば、お客様のクレジットカードから代金が支払われて、手数料が引かれてEC事業者の銀行口座に振り込まれます。
EC事業者自身でクレジットカード・サービス会社と契約する必要がなく、加えてお客様に直接代金を請求しなくてもよいのです。
3.ASP型ECカートのメリットとデメリット
ASP型ECカートを利用するメリットには、以下があげられます。
- すぐに始められる
- 初期費用が0円か格安
- 維持費用が安価
- 手間がかからない
例えば、すでに手元に販売可能な商品があれば、ASP型ECカート・サービスのサイトに登録するだけでECサイトを開設することができます。商品をECサイトに並べれば自分の店になります。
ASP型ECカートの商品登録は、ECサイトのフォーマットに自社商品を入力していくだけで済みます。
一方、ASP型ECカートを利用するデメリットは、事業規模が大きくなると手数料が割高になる点です。ASP型ECカートを使い続けている限り、利用料を支払い続けなければなりません。
大手企業がASP型ECカートを使わず、わざわざ自社でECカートやECシステムを構築するのはそのためです。
しかし、個人事業主や小規模の販売であれば、ASP型ECカートで問題ないでしょう。
中小企業の場合、最初はASP型ECカートで始め、EC事業のコツを掴み事業が軌道に乗ってきたら自分でECサイトを構築してみるのが良いですね。
4.モール型、パッケージ型とASP型の違い
ECカートには、ASP型ECカート以外に、モール型とパッケージ型があります。
モール型ECカートは、楽天市場やAmazonなどのことで、ECを始めたい人が、楽天市場やAmazonが用意したプラットフォーム(モール)に出店します。
モールとは、小規模ECサイトが多数集まった巨大なEC集合体サイトとなっており、オフラインで例えると百貨店のような存在です。
パッケージ型ECカートは、ECの構築に必要なソフトをパッケージで販売する形態です。ECを始めたい企業がパッケージ型ECカートを購入してECを始めます。つまり、自社でECサイトを構築しなければなりません。
ASP型とモール型、パッケージ型の強みと弱みを下記表にまとめています。こちらに沿って3つの点を解説していきます。
ASP型 | モール型 | パッケージ型 | |
運営コスト(短期) | ◎ | ○ | △ |
運営コスト(長期) | △ | ○ | ◎ |
運用スキル | ◎低くてもOK | ○ | △高いスキルが必要 |
カスタマイズ、拡張性 | △ | ○ | ◎ |
向いている事業規模 | 小規模 | 中規模 | 大規模 |
知名度、ブランド力 | △ | ◎ | △ |
ASP型は低コストで始めることができますが、EC事業が軌道に乗って売上高が増えてくると少し不便に感じるかもしれません。ASP型でもある程度はカスタマイズができるのですが、自由度が高くないからです。ASP型ECカートサービス会社が予め用意する複数のデザインの中からしか選択できません。従って、拡張性も低いといえます。
パッケージ型は初期投資(短期の運営コスト)は高いのですが、事業規模が拡大して事業が長期化すると、トータルでの支払いは安くなるでしょう。
また、パッケージ型なら自由自在にカスタマイズできます。拡張性も高いので、例えば途中でEC事業の戦略を大幅に変えるときも柔軟に対応できます。
但し、パッケージ型は自社で一からECサイトを作成する必要があるため、高い運用スキルが必要になります。社内にシステムやインターネット、EC事業に詳しい人がいないと運用に苦労するでしょう。
ASP型とパッケージ型の中間に位置するのがモール型です。
ASP型と同じくモールのフォーマットに体裁を合わせる必要があるため、自由度が低いと言えますが、モール型には知名度という大きな武器があります。Amazonも楽天市場も、EC界のビッグ・ブランドになっていて、これを利用するメリットは大きいでしょう。
一方、ASP型もパッケージ型も、「自分の店」が有名にならないと知名度は上がりません。またブランディングや集客も自社で行わなければなりません。
5.まとめ
ASPの基礎知識と、EC事業におけるASPについて解説しました。
これからEC事業に乗り出す企業や個人はまずはASP型ECカートを使用し、試しに販売を行ってみてもよいでしょう。それくらい気軽に始めることができます。趣味で描いた絵を売ることもできます。
そして、もしあなたが「ECを始めたい」と考えていたり、「すでにスタートしているEC事業に行き詰まっている」と感じていたりしたら、ぜひ当社AVROVEにお問い合わせください。
AVROVEにはECの知識と経験を持ったスタッフがいるので、貴社の悩みを解決できます。
問い合わせ先:
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