ASPカートって？ASP型、モール型、パッケージ型の違いとは

2022年2月25日
2025年1月29日
自社EC, EC運用基礎
ECサイト, 自社EC, ECカート

自社EC

こんにちは、BIZROVEです！

今回は、ECにおける「ASP」について解説します。

ASPは、EC事業において必要不可欠なサービスになりつつあります。
ASPを使えば低コストでECを始められるため、EC事業者もこれからECを始めようとする方も、ぜひこの記事を情報収集にお役立ていただければと思います。

1 1. ASPとは
2 2. 「ASP型ECカート」とは
3 3. ASP型ECカートのメリットとデメリット
4 4. モール型、パッケージ型とASP型の違い
5 5. まとめ

1. ASPとは

Application Service Provider（ASP）とは、インターネット経由でソフトやアプリ、システムを使うことができる仕組みです。また、ASPサービスを提供している業者のことをASPと呼ぶこともあります。

ASPで提供されているソフト・アプリ・システムは多岐にわたり、財務会計、給与計算、営業管理、顧客管理、販売管理、在庫管理などがあります。このようなシステムをインターネットで提供するサービスは、クラウドとも呼ばれます。

ASPは、クラウドサービスの一種です。そして、ECのカートシステムなどもASPで提供されています。

大企業であればECシステムを自社で構築することができますが、中小企業や個人事業主、副業でECを始めようとしている方は、自分でECシステムをつくることは難しいでしょう。

しかし、ASP型のECシステムなら、中小企業や個人事業主でも簡単に自社サイトを作成することができ、さらに月額数千円で利用することが可能です。

2. 「ASP型ECカート」とは

EC事業で使われているASPについて解説します。

ECのカートシステムのことを「ECカート」といいます。ECカートを使えば、インターネット上に店を開くことができ、商品の紹介、販売、決済が行えます。
ECカートをEC事業をする企業や個人に対し、インターネット経由で提供するのがASP型ECカートです。

ASP型ECカートには、BASEやShopifyなどがあります。
BASEを利用しているECはすでに170万店にのぼり、そのジャンルはファッション、インテリア、食品、エンタメ、レジャーなど多岐にわたります。
BASEは無料でECサイト（オンラインストア）を開設でき、無料で商品を紹介することができます。
また、BASEで費用が発生するのは商品が売れたときで、EC事業者は売上に対してBASEに手数料を支払います。
ShopifyもBASEと似たようなサービス内容になっていますが、shopifyは商品が売れなくても固定費月額3,000円ほどの料金がかかることに注意しましょう。
しかしShopifyは、種類豊富なテンプレートや、海外でのオンライン販売にも対応しているといった特徴がある点が魅力的です。

3. ASP型ECカートのメリットとデメリット

ASP型ECカートを利用するメリットには、以下があげられます。

すぐに始められる
初期費用を抑えられる
維持費用が安価
手間がかからない

たとえば、すでに手元に販売可能な商品があれば、ASP型ECカートを利用するだけでECサイトを開設することができます。また、ASP型ECカートの商品登録は、フォーマットに自社商品を入力していくだけで済みます。

一方、ASP型ECカートを利用するデメリットは、事業規模が大きくなると手数料が割高になる点です。ASP型ECカートを使い続けている限り、利用料を支払い続けなければなりません。
大手企業がASP型ECカートを使わず、わざわざ自社でECカートやECシステムを構築するのはそのためです。

しかし、個人事業主や小規模の販売であれば、ASP型ECカートで問題ないでしょう。
中小企業の場合、最初はASP型ECカートで始め、EC事業のコツを掴み事業が軌道に乗ってきたら自分でECサイトを構築してみるのがよいと思われます。

4. モール型、パッケージ型とASP型の違い

ECカートには、ASP型ECカート以外に、モール型とパッケージ型があります。

モール型ECカートは、楽天市場やAmazonなどのことで、ECを始めたい人が楽天市場やAmazonが用意したプラットフォーム（モール）に出店します。
モールは、小規模ECサイトが多数集まった巨大なEC集合体サイトとなっており、オフラインで例えると百貨店のような存在です。
パッケージ型ECカートは、ECの構築に必要なソフトをパッケージで販売する形態です。ECを始めたい企業がパッケージ型ECカートを購入してECを始めます。つまり、自社でECサイトを構築しなければなりません。

ASP型とモール型、パッケージ型の強みと弱みを下記表にまとめています。こちらに沿って3つの点を解説していきます。

	ASP型	モール型	パッケージ型
運営コスト（短期）	◎	○	△
運営コスト（長期）	△	○	◎
運用スキル	◎低くてもOK	○	△高いスキルが必要
カスタマイズ、拡張性	△	○	◎
向いている事業規模	小規模	中規模	大規模
知名度、ブランド力	△	◎	△

ASP型は低コストで始めることができますが、EC事業が軌道に乗って売上高が増えてくると少し不便に感じるかもしれません。ASP型でもある程度はカスタマイズができるのですが、ASP型ECカートサービス会社が予め用意する複数のデザインの中からしか選択できず、自由度が高くないためです。従って、拡張性も低いといえます。

パッケージ型は初期投資（短期の運営コスト）は高いですが、事業規模が拡大して事業が長期化すると、トータルでの支払いは安くなるでしょう。
また、パッケージ型は自由自在にカスタマイズできます。拡張性も高いので、例えば途中でEC事業の戦略を大幅に変えるときにも柔軟に対応することができます。
ただし、パッケージ型はオリジナルのECサイトを一から構築する必要があるため、高い運用スキルが必要になります。社内にシステムやインターネット、EC事業に詳しい人がいないと運用に苦労すると思われます。

そして、ASP型とパッケージ型の中間に位置するのがモール型です。
ASP型と同じくモールのフォーマットに体裁を合わせる必要があるため、自由度が低いと言えますが、モール型にはプラットフォームそのものの知名度という大きな武器があります。ASP型もパッケージ型も、”自分の店”が有名にならないと、ブランディングや集客が必要になる一方、モール型ではAmazonや楽天市場といったブランドの集客力を利用できるという強力なメリットがあります。