H&M、スターバックス、キヤノン、ラコステ、サムソナイト、POLO、TUMI、リーボック、ソニー・エンターテインメント、KOSE
これら世界的ブランドのECサイトの実現にはシンガポールに本社を置き、アジア7カ国で展開するデジタルコマースエージェンシー「Kemana(ケマナ)」の存在があります。
2026年3月、株式会社ACROVEはKemanaと戦略的パートナーシップを締結し、「Kemana TOKYO」を設立しました。 Kemana CEO Chris Benz(クリス・ベンツ)氏を迎え、日本企業が直面するグローバル化の壁と、その突破口について語り合いました。
■ スピーカー プロフィール

Chris Benz(クリス・ベンツ)
Kemana Technology PTE. LTD. Founder & CEO。 Eコマースおよびデジタルマーケティング領域で20年以上の経験を持つ。2011年にKemanaを創業。Adobe Commerce (Magento)、Shopify Plus、Salesforce Commerce Cloud、Commercetoolsの公式パートナーとして、アジア全域及びグローバルに300を超えるエンタープライズ企業のEC構築・運用を支援。技術とビジネスの両面からクライアントの成長を支える戦略家として知られる。インドネシアEコマース協会 共同創設者。
巨大モール以外の選択肢を目指して生まれた会社
ACROVE:Kemanaはどのような目的で設立された会社ですか。
Chris氏: Amazonなどの巨大マーケットプレイスに対抗できるほど、高いコンバージョン(購買率)を生み出すドットコム(自社ブランド)のECサイトやアプリケーションを構築することを目指して創業しました。
Kemanaを立ち上げた2011年当時から、多くのブランドは集客力を求めて巨大モールに出店していました。もちろんそれは一つの正解です。しかし、モールの中では顧客データもブランド体験も、プラットフォーム側に握られてしまいます。 ブランドが真に自立し、利益を最大化するためには、モールと同等かそれ以上の利便性を持ち、顧客と直接つながれる自社ECサイト(Direct to Consumer)が必要です。
ACROVE: モールと自社サイトの両輪を回すことは必須条件になっています。 しかし、自社ECサイトでモール並みの機能を実装するのは、技術的に非常にハードルが高いですよね。
Chris氏: まさに、そのために私たちがいます。 私たちは単なるWeb制作会社ではありません。Adobe Commerce (Magento) やShopify Plus、そして最新のヘッドレスコマース基盤であるCommercetools といった世界最高峰のプラットフォームを駆使し、更には本年度からAIツールを提供し次世代のEコマースへ対応し日々進化を続け、モールに負けない「検索性」「決済のスムーズさ」、そして「パーソナライズされた体験」を構築します。
また、ECサイト立ち上げに陥りがちなコスト、納期の課題をクリアにする独自パッケージも提供しています。アジア地域で300以上のプロジェクトを手掛けてきましたが、その全てにおいて、私たちはプラットフォームに依存しすぎず、ブランドと顧客が直接つながる強い自社チャネルを確立するという意志で取り組んでいます。
15年間、B2C、B2BのEC構築に挑み続けてきた
ACROVE: B2Cブランドだけでなく、B2B(企業間取引)の領域でも圧倒的な強さを持っています。 ”華やかなB2Cサイト”は得意でもB2Bシステムは敬遠しがちです。なぜKemanaは両方に強いのでしょうか?
Chris氏: 私たちが過去15年間にわたり、ときにはクライアントからの無理難題とも言える複雑なリクエストに、真正面から向き合い続けてきたからです。
B2Bのビジネス、とくに製造業や卸売業の商流は非常に複雑です。「顧客ランクごとに掛け率を変えたい」「与信枠によって決済方法を制限したい」「本社承認フローをシステムに組み込みたい」……。こうした要件は、一般的なSaaS型カートシステムの標準機能では対応が難しいことが多いです。
ACROVE: 「やりたいけれど、システムが追いつかない」から、結局FAXや電話受注に戻ってしまう。
Chris氏: 私たちは、そうした企業が持っているオフラインでのビジネスモデルを、そのままWeb上に再現する技術を持っています。
たとえば、インドネシアの樹脂原料商社 Tokoplasの事例では、数千種類のSKUと複雑な価格テーブル、物流拠点ごとの在庫ロジックを全てECシステム上に実装しました。 これを可能にしているのが、私たちがAdobe Commerce (Magento) ベースに独自開発した『Optima(オプティマ)』というソリューションです。

Kemanaが開発したECサイト構築パッケージ『Optima(オプティマ)』
通常、Adobe Commerce (Magento) のような高機能なシステムをゼロから構築すると、膨大なコストと時間がかかります。しかし、OptimaはB2BやB2Cに必要な標準機能をあらかじめパッケージ化しているため、スピーディかつ安価に、大企業レベルの堅牢なECサイトを立ち上げることができるのです。
ACROVE: オフラインの商流をデジタルに置き換えるだけでなく、それを導入しやすいかたちで提供できるのが強みなんですね。
Chris氏: 私たちはできないとは言いません。ビジネス要件が複雑であればあるほど、私たちの技術力と経験が活きる。それがKemanaというチームのDNAです。
「ガラパゴス化」したシステムからの脱却
ACROVE: なぜ次の進出先として日本を選んだのでしょうか?
Chris氏: まず一つの理由として日本ブランドが世界で勝てる素晴らしい商品を持っているのに、それを届けるGlobal Scalability(グローバルな拡張性)に発展の余地があると感じたからです。
日本独自の商習慣に合わせてカスタマイズされたシステムは優秀ですが、海外へ出ようとすると、「多言語・多通貨対応ができない」「各国の税率計算に対応していない」「現地の決済手段がつながらない」といった壁にぶつかります。
ACROVE: 多くの日本企業がシステムのリプレイスという重い課題を前に、海外進出を足踏みしています。
Chris氏: Kemanaには、ASEAN 7カ国で培った多国間ロールアウトのノウハウがあります。一つのコアシステムで、国ごとに異なる言語、通貨、物流、税率を管理する。私たちが日本に進出することで、日本企業が抱える技術的な鎖国状態を解き放つことができると確信しています。そしてもう一つの理由は、グローバル企業の日本市場への参入支援です。多くの外資系ブランドが、ポテンシャルのある日本市場に注目していますが、日本特有のローカライズの難しさに直面しています。Kemana TOKYOは、日本企業が外へ出るサポートだけでなく、海外の優れたブランドが日本へ入ってくる際のゲートウェイにもなりたいと考えています。
なぜパートナーはACROVEなのか
ACROVE: 日本進出にあたり、ACROVEをパートナーに選んだ決め手を教えてください。
Chris氏: 理由は明確です。ACROVEには、グローバルの技術を日本の文脈に合わせる「翻訳力」と、それをビジネスとして成立させる「圧倒的な実行力」があるからです。
海外製の優れたツール(Adobe CommerceやShopify Plus、Commercetools)をただ持ち込んでも、日本の現場では定着しません。言葉の壁はもちろん、細やかな運用フローへの理解がないと、システムはただの箱になってしまいます。ACROVEには、ACROVE自身のEC運用事業で培った現場力と、ロールアップ事業で培った経営視点があります。Kemanaが世界標準の技術を提供し、ACROVEがそれを日本の文脈に合わせて最適化し、プロジェクトを推進する。 ACROVEがコミュニケーションハブとなることで、日本企業は海外ベンダー特有のコミュニケーションコストを最小限に、世界最先端の技術を手に入れることができます。この補完関係こそが、今回の協業の最大の勝算です。

Kemana TOKYOの概要
「That’s where we come in」─ 共に描く未来
ACROVE: 最後に、これから共に挑む日本のマーケット、そして企業の担当者様へメッセージをお願いします。
Chris氏: デジタルネイティブ世代の台頭により、ECサイトに求められる品質の基準が劇的に変化しました。 優れたUI、多通貨決済、即日配送。これらが揃っていないサイトは、検討の土俵にすら上がれません。 常に進化する市場の要求に応え続けるには、強固なテクノロジーと、それを運用するチームが必要です。
ACROVE: 多くの企業がリソース不足や技術不足に悩んでいるのが現状です。
Chris氏: 「That’s where we come in(そこで私たちの出番です)」。
高度な要件をクリアし、ビジネスの拡張性を担保することにこそ、我々の存在意義があります。ACROVEとKemana TOKYOは、日本企業が世界へ打って出る際に不可欠な戦略的パートナーとなります。一時的なブームではなく、持続可能なグローバル展開を実現するための基盤を作る。この両社の取り組みが、日本のEC業界にとって新たなスタンダードになると確信しています。
【Kemana TOKYO サービス・導入に関するお問い合わせ】
グローバルECサイト構築、システムリプレイス、BtoB-EC展開などのご相談・お見積りは、以下の専用フォームより受け付けております。
Kemana TOKYOお問い合わせページ:https://kemana.com/jp/contact



