【保存版】BtoB EC機能要件あるある9選と主要カートシステム対応性徹底解説

こんにちは、BIZROVEです!

BtoBのECサイトは、BtoCとは根本的に異なる商習慣と、それに伴う複雑な取引形態から、数多くの独特な課題を抱えています。
顧客ごとの価格設定、煩雑な与信管理、掛け払い対応、納品書や請求書の手作業での出力、未だ根強いFAXや電話での注文、社内営業部門からのEC化への反発、複雑な商材のECサイトへの掲載、限定的な決済手段、膨大な商品点数に伴う在庫管理の煩雑さ、そしてサイト運用のリソース不足や検索・ナビゲーションの弱さなど、企業にとって「あるある」と頷ける悩みは尽きません。

本記事では、これらのBtoB ECで頻繁に見られる“あるある”な悩みを10個厳選し、それぞれに対する具体的な解決策を提示します。さらに、Shopify Plus、ecbeing、makeshop BtoB、Magento(Adobe Commerce)、Salesforce Commerce Cloudといった主要なECカートシステムが、これらの課題にどのように対応可能かを徹底的に解説します!

機能要件:取引先ごとに価格が違う

よくある課題 「得意先によって価格が違う」という、BtoB取引ではごく当たり前の商習慣に対応したい。これまでExcelなどで個別に価格表を管理していた企業がECを導入した際に、価格が一律になってしまい、既存の取引先からクレームが発生するケースが少なくないため、取引実績や取引量に応じた柔軟な価格設定を行いたい。

カートシステムにおける対応性

  • アラジンEC
    • 基幹システムに登録されている得意先ごとの取引価格や掛率をECサイトに反映させることが可能です
    • 取引先別商品表示機能、得意先別価格表示機能により、ログインした得意先ごとに、表示される商品や価格を自動で切り替えることができます
    • 顧客ごとに異なる価格が設定できるのはもちろん、ボリュームディスカウントキャンペーン価格なども柔軟に設定できるため、多様な価格戦略に対応できます
    • 参照元: アラジンECの強み|アラジンEC ,

  • makeshop BtoB
    • 顧客ごとに価格を設定できる会員グループ別価格表示機能会員グループ別価格表示機能が充実しています。
    • 取引先をグループ分けし、それぞれのグループごとに通常価格、卸売価格、特別価格といった表示を自動で切り替えることが可能です
    • 割引率やポイント付与数もグループごとに細かく設定でき、購入額に応じた追加ポイントや現金割引の付与も実現します
    • 参照元: BtoB ECサイト構築パッケージ – makeshop, 卸売・会員制ECサイト構築なら【makeshop BtoBオプション】

  • Magento(Adobe Commerce):
    • Shared Catalog機能により、ユーザーグループごとに価格表示を変更できます。これにより、特定の顧客グループ(卸売業者、小売業者、VIPなど)向けに独自の製品カタログとカスタム価格層を作成できます
    • また、Requisition Lists機能によって購入者が頻繁に購入する製品を保存し、将来の注文時に簡単にアクセスできるようにすることもできます
    • Negotiable Quotes機能により、買い手は大量注文に対して価格交渉をリクエストでき、売り手は割引やカスタム価格で対応し、合意後には見積もりを直接注文に変換できます
    • 参照元: B2Bコマースの最適化 | Adobe Commerce | アドビ, 会社クレジットの管理 | Adobe Commerce – Experience League

機能要件:与信管理ができない/未払いリスクが不安

よくある課題 従来は営業担当者が個別に与信判断を行うが、ECサイトでは新規顧客との取引が増えるため、未払いや遅延のリスクが増加する懸念がある。とくに、BtoB取引において不可欠な「掛け払い」への対応は必須対応事項。

カートシステムにおける対応性

  • Shopify Plus
    • Shopifyアプリを利用することで、請求書払いや掛け払いを設定することができます

  • makeshop BtoB
    • NP掛け払いPaidなど、主要な法人後払い決済サービスとの連携を強化しており、安心して掛け払いを導入できます。
    • 会員グループ別決済制御機能により、取引先(グループ)ごとに利用できる決済方法を設定し、新規取引先は銀行振込のみ、優良取引先は締め払いなど、リスクに応じた制御が可能です
    • 参照元: BtoB ECサイト構築パッケージ – makeshop, BtoBオンライン決済を導入する – makeshop

  • Magento(Adobe Commerce)
    • クレジットカード決済はもちろん、後払い売掛払いを設定できます
    • Company Credit機能により、B2B企業は自社の与信限度額内でECサイトから購入を行うことができます。マーチャントは会社アカウントのクレジットを割り当て、クレジット設定とクレジット償還を管理できます
    • ERP(統合基幹業務システム)との統合により、与信ステータスや決済条件のカスタム管理が可能となり、企業の既存システムと連携した厳格な与信管理を実現します
    • 参照元: 会社クレジットの管理 | Adobe Commerce – Experience League, 概要 Adobe Commerce B2B – Experience League

機能要件:納品書や請求書の出力が面倒

よくある課題 BtoB取引では、納品書や請求書の発行・送付は必須業務だが、「毎月大量の書類出力と送付が大変」「CSVダウンロードしてExcelで整形している」といった声が多く上がる。これらは時間と手間がかかるだけでなく、人的ミスも発生しやすい業務なので自動化したい。

カートシステムにおける対応性

  • Magento(Adobe Commerce)

機能要件:FAXや電話での注文がなくならない

よくある課題 「FAXの方が楽」「電話の方が確実」といった、とくにトラディショナルな取引先や小規模事業者からの根強い声があり、ECサイトを導入してもFAXや電話での注文がなかなかなくならないという課題がある。ECサイトと手動受注の二重管理が発生する恐れがあるため、回避したい。

カートシステムにおける対応性

  • アラジンEC
    • オペレーター(代理)注文機能が搭載されており、自社営業が得意先に成り代わって代理ログインして電話やFAXで受けた注文を管理画面から代行して入力することができます
    • 品番入力発注機能により、商品コードや品番をまとめて入力することで、複数の商品を一括でカートに追加できるため、FAXで注文書を作成する手間を省きます

  • makeshop BtoB
    • 手動で注文登録が可能で、電話やFAXで受けた注文もECサイトのシステムに統合して一元管理できます
    • エンタープライズ向けにWEB-EDI(Web受発注システム)として、代理注文機能も備わっており、ECサイト以外の注文情報も統合し、決済処理までを一元管理できます
    • リピート注文機能や、あらかじめいつも買う商品をリスト登録できる機能も提供されており、顧客の利便性を高めることで、アナログな注文方法からの脱却を支援しています
    • 参照元: WEB-EDI 構築|makeshopエンタープライズプラン – GMOクラウドEC, BtoB ECサイト構築パッケージ – makeshop

  • Magento(Adobe Commerce)
    • Quick Order機能により、SKUコードや商品名の一括入力、またはCSVファイルのアップロードで、顧客が大量の商品を迅速にカートに追加できます。手動での注文プロセスをWebに置き換えることができます
    • Sales Rep(販売担当者)機能Company Accountsを通じて、営業担当者やカスタマーサービス担当者が顧客に代わって注文を入力したり、アカウント管理を行ったりすることが可能で、アナログな注文への対応をシステム上で完結できます
    • 参照元: B2Bコマースの最適化 | Adobe Commerce | アドビ, MagentoでBtoB ECをおすすめする6つの理由 – Digital-Free株式会社

機能要求:商材が複雑でカートに入れづらい

よくある課題 部品点数が多く、カスタマイズ可能項目も多数にわたるような複雑な商材は、標準的なECカートでは対応が難しく、サイトへの掲載や注文プロセスの設計が大きな課題。とくに製造業や部品商社などでは、製品の仕様や組み合わせが多岐にわたるため、EC化の障壁となりがち。

カートシステムにおける対応性

機能要件:決済が限られていて使いにくい

よくある課題 法人顧客にとっては、請求書払い(掛け払い)や銀行振込が基本的な決済手段で、クレジットカード決済しか選択肢がないECサイトでは利用が進まない。B2B取引の商習慣に合わせた多様な決済方法を選びたい。

カートシステムにおける対応性

  • makeshop BtoB
    • NP掛け払い決済Paidなど、BtoBオンライン決済サービスと連携することができます
    • 会員グループ別決済制御機能により、取引先ごとに利用できる決済方法を細かく設定でき、新規取引先は銀行振込のみ、優良取引先は締め払いといった運用が可能です
    • クレジットカード決済(makeshopペイメント)、Amazon Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Payなど、多様なオンライン決済オプションも提供しています
    • 参照元: BtoB ECサイト構築パッケージ – makeshop, 豊富な決済方法 – makeshop

  • Magento(Adobe Commerce)
    • Company Credit機能により、掛け払いが可能です
    • クレジット(多通貨クレジットカード、銀聯カード含む)、電子マネー、Alipay、WeChat Pay、オンラインバンキング、Amazon Pay、PayPalなどが使えます
    • オフライン支払方法として、銀行振込、小切手/送金、注文書(Purchase Order)、分割払い(Adobe Commerce B2Bのみ)なども提供されています
    • 参照元: 支払いの概要 | Adobe Commerce – Experience League, 概要 Adobe Commerce B2B – Experience League

機能要件:商品点数が多く、在庫管理が煩雑

よくある課題 SKUが数千、数万点を超えるようなBtoBビジネスでは、手動での在庫管理は属人的になりがちで、ヒューマンエラーによる欠品や過剰在庫が発生しやすい。リアルタイムな在庫情報の連携と効率的な管理を行いたい。

カートシステムにおける対応性

  • アラジンEC
    • 基幹システム(販売管理・在庫管理システム)との連携に強く、リアルタイムで正確な在庫情報をECサイトに連携できます
    • 在庫自動連動機能により、ECサイトでの受注が発生すると、基幹システムの在庫情報が自動で更新されるため、手動での在庫管理の手間を大幅に削減し、複数チャネルでの販売においても在庫の二重引き当てを防ぎます

  • Magento(Adobe Commerce)
    • MSI(Multi Source Inventory)に対応しており、複数の倉庫や集荷場所、直送業者など、多様な在庫ソースを一元的に管理できます。これにより、各ソースの在庫数を正確に把握し、注文のフルフィルメントを最適化できます
    • Inventory Management機能により、注文が行われた際の在庫数の減少、キャンセルされた際の在庫の戻し、在庫切れ商品の表示設定など、詳細な在庫オプションを設定できます
    • 機関システムとの連携により、在庫情報のリアルタイム更新や自動引き当てが可能となり、大規模な商品点数でも効率的な在庫管理を行えます
    • 参照元: Catalog > Inventory | Adobe Commerce – Experience League, Adobe Commerce(Magento):B2BおよびB2C向けエンタープライズソリューション | アドビ

  • makeshop BtoB
    • 販売・仕入れ・在庫管理システムと連携し、受注・在庫データを連携させることで、データ管理を効率化することができます
    • 商品数の多いショップ向けに専用サーバープランも用意されており、大量のデータを安定して処理できるインフラを提供します。
    • バックオーダー機能により、在庫切れの商品でも受注を取ることが可能で、機会損失を防ぎつつ、在庫の引き当てを後から調整できる柔軟な運用も可能です
    • 参照元: 販売・仕入れ在庫管理「makeshop for PCA」, BtoB向けオールインワンパッケージ | makeshop byGMO

機能要件:サイト運用が片手間になりがち

よくある課題 BtoB ECサイトは構築したものの、日々のリソースが不足し、メルマガ配信、バナー更新、新商品登録、コンテンツマーケティングなどが後回しになりがち。結果としてサイトが陳腐化し、顧客エンゲージメントが低下してしまうという問題が生じる。

カートシステムにおける対応性

機能要件:商品検索やナビゲーションが弱い

よくある課題 商品点数が非常に多く、カテゴリ構造が複雑で分かりにくかったり、サイト内検索の精度が悪かく「商品が見つからない」という顧客の声が多い。顧客が目的の商品にスムーズにたどり着ける、強力な検索・ナビゲーション機能を実装したい。

カートシステムにおける対応性

  • アラジンEC
    • カテゴリ・キーワード検索機能により、顧客は商品名や品番、キーワードで商品を検索できるだけでなく、カテゴリや属性で絞り込みを行うことも可能です
    • 商品マスタ連携により、基幹システムに登録されている豊富な商品情報(品番、型番、JANコードなど)をECサイトの検索に活用できるため、より精密な検索結果を提供できます
    • 参照元: 機能一覧|アラジンEC, アラジンECの強み|アラジンEC

  • ecbeing
    • probo ECポップファインドといったサイト内検索サービスと連携することで、検索結果のミスマッチを防ぎ、顧客が目的の商品にスムーズにたどり着けるようにすることができます。これらのサービスは、入力アシスト、スペルチェック、自然文検索、検索アシスト辞書などの機能を搭載しています
    • 親子構造入力アシスト機能により、親子構造になっている候補語(例:親カテゴリと子品番)を表示でき、商品バリエーションが多く複雑になりがちな製造業やメーカーサイトでの検索を効率化します
    • カテゴリを分かりやすく整理し、主要なカテゴリをトップページに配置するなど、ナビゲーションの最適化を支援し、フィルタ機能を追加することで、顧客の絞り込み検索を強化します。
    • 参照元: ECサイト内検索サービス『probo EC』でコンバージョン率アップ! | ecbeing, BtoB ECサイトはデザインが成功の鍵?重要性と改善ポイントを徹底解説

  • makeshop BtoB
    • サイト内検索オプションを導入することで、検索キーワード入力時に候補語やおすすめ商品を画像付きで表示し、最短で詳細ページへのリンクを提供することで、検索時の機会損失を減少させることができます
    • また、検索結果ページをショートカットし、情報到達率を高めることで、「0件ヒット」による顧客の離脱を防ぎ、コンバージョンに繋げます
    • 会員グループ別商品表示制御機能により、取引先ごとに商品や商品カテゴリーの表示を制御し、必要な商品だけを顧客に表示することで、情報の過多を防ぎ、ナビゲーションを簡素化させることができます
    • 参照元: サイト内検索オプション – makeshop, 卸売・会員制ECサイト構築なら【makeshop BtoBオプション】

  • Magento(Adobe Commerce)
    • Elasticsearch機能によってサイトごとの商品特性に合わせた検索情報になるように調整を行うことができ、大規模な商品カタログでも高速かつ正確な検索結果を返します
    • 共有カタログ機能により、顧客グループごとに異なる商品カタログを提供できるため、顧客は自分に関連のある商品のみにアクセスでき、商品探しの手間を軽減させることができます
    • 参照元: Adobe Commerce – カタログ管理ガイド – Experience League, Adobe Commerce B2B リリースノート

まとめ

BtoB ECは、その商習慣に深く根ざした多岐にわたる課題を抱えていますが、それぞれの「あるある」な悩みには、的確なテクノロジーとソリューションによる解決策が存在します。本記事で取り上げたShopify Plus、アラジンEC、ecbeing、makeshop BtoB、Magento(Adobe Commerce)といった主要なECカートシステムは、いずれも豊富な導入実績と専門的な機能群を備えており、企業の業種、規模、そして目的に応じて最適な選定が可能です。BtoB EC戦略を次のレベルへと引き上げるために、本記事がその一助となれば幸いです。

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