こんにちは、BIZROVEです!
Shopifyは年に2回、SpringとSummerのタイミングで大規模アップデートを発表しています。これを「Edition(エディション)」と呼び、全世界のShopifyユーザーや開発者、支援パートナーが注目する一大イベントです。
2025年夏の「Summer ’25 Edition」では、AI(人工知能)による業務効率化、B2B販売機能の拡張、越境EC対応の強化、そしてデザイン機能や開発者向け機能の大幅なアップデートが盛り込まれました。
今回は、これらの新機能を整理し、どのようにEC事業者や支援会社が活用できるのかを解説していきます!
Shopify Magicの進化:AIがEC運営を加速させる
Shopify Magicは、EC運営の様々な作業をAIで自動化・支援する機能群です。Summer ’25 Editionでは、以下の点が強化されました。

- 商品画像から説明文を自動生成:画像解析とブランドトーンの分析をもとに、説明文を自動提案。
- メールやキャンペーン文の自動提案:メルマガやセール告知の文面がワンクリックで生成。
- Sidekickとの連携強化:Shopify内でチャットボット形式で各種操作・サポートが可能。
EC運用者視点のポイント: 少人数チームや兼任担当者にとって、クリエイティブ作成の時短や業務の属人化解消に直結する武器になります。
B2B販売機能の拡張:法人販売がより本格的に
D2Cが中心だったShopifyが、近年力を入れているのがB2B販売機能です。今回のアップデートでは、より実用的な機能が追加されました。

- 価格表の顧客別設定
- Net Terms(後払い取引条件)の設定
- 法人アカウントへのログイン・管理機能
- 見積依頼→承認→注文というワークフローの導入
これにより、
- 複数の法人アカウント管理
- 顧客に応じた卸価格・在庫制御
- 商談ベースの受注が可能になります。
EC運用者視点のポイント: これまで外部システムや手動対応していた法人販売が、Shopify内で完結することで、業務効率化とB2B販路の拡大が同時に狙えます。
越境EC対応の強化:グローバル展開がより手軽に
Shopify Markets機能を軸とした越境販売の機能もアップデートされました。

- 関税・配送費の自動計算精度向上
- 地域別の商品表示・価格制御の柔軟化
- 複数通貨・多言語対応の範囲拡大
EC運用者視点のポイント: 言語・通貨・物流といったハードルをShopify側が吸収してくれるため、テスト販売やプロモーションを兼ねたライトな越境展開も始めやすくなります。
デザイン・UIの改善:よりノーコードで高品質な構築が可能に

- 新テーマ“Horizon”:モダンでスピーディ、かつ柔軟なカスタマイズ性
- テーマエディタのUI改善:ブロック編集の操作性向上、リアルタイムプレビュー強化
- モバイル最適化の精度向上
結果として:
- デザイナーやノーコード人材でも高品質なストア構築が可能
- 開発リソースが限られている企業にも導入しやすく
EC運用者視点のポイント: UI改善により、「自社で運用・更新したい」というニーズにも応えやすくなり、スピード感ある施策運用が可能になります。
開発者向けアップデート:柔軟性と拡張性が向上

- Shopify Functionsの拡張:ロジックを細かくカスタム可能に
- Hydrogenの進化:ヘッドレスコマース向けフレームワークの高速化・UI改善
- 新API群の追加:より多くのデータ操作が可能
EC運用者視点のポイント: 標準機能に加えて、業界特化型の機能や独自ロジックを開発連携することで、より自社に最適化されたEC運営が実現可能になります。
注目アプリ・パートナー連携
Shopify Summer ’25 Editionと連携する形で、多くのパートナーアプリもアップデートされました。

- AI連携ツール:RecoketやPeelなど分析・最適化ツールが進化
- CRM/Loyalty:顧客管理やポイント施策の高度化が可能に
- サブスク管理:Rechargeなどの定期購入支援アプリも機能強化
これにより、EC事業者は標準機能+αの構成がより柔軟に選べるようになりました。
Shopifyと他サービス(BASE・STORES)との比較表(2025年5月時点)
機能カテゴリ | Shopify | BASE | STORES |
---|---|---|---|
AI支援 | Magic / Sidekick(高度) | なし | なし |
B2B販売対応 | 価格表・法人アカウント管理等 | 一部プラグイン対応のみ | 法人販売は別途要件あり |
越境EC | 多言語・多通貨・関税対応 | 一部対応(多通貨限定) | 基本非対応 |
ノーコード構築 | 高度なエディタ+豊富なテーマ | シンプルなテンプレート中心 | 同上 |
拡張性・開発自由度 | Functions・API・Hydrogen等 | 低(カスタム不可) | 低(拡張性限定) |
BASEやSTORESは導入のしやすさでは依然として優位ですが、機能拡張や業務設計が求められる規模や目的の事業者においては、Shopifyが圧倒的に高い柔軟性と将来性を備えています。
まとめ
Shopifyの「Summer ’25 Edition」は、AIによる業務効率化、より本格的なB2B販売機能、手軽になった越境EC対応、そしてデザイン・UIの改善と開発者向け機能の拡張が柱となる大型アップデートです。
とくに、Shopify Magicの進化は、少人数チームや兼任担当者の業務負担を大きく軽減し、クリエイティブ作成やコンテンツ生成の効率化に貢献します。また、B2B販売機能の拡充は、Shopifyが多様なビジネスモデルに対応できるようになったことを示唆しています。
今回のアップデートにより、Shopifyは機能拡張性、多様なビジネスモデルへの対応力、そして将来性において、他のプラットフォームとの差をさらに広げました。
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