【創業40年】agetuya変化を恐れず挑戦し続ける老舗!激戦を生き抜く秘密とは―ブランド戦略編

こんにちは、BIZROVEです!

読者のみなさまの中には、EC運営者だけではなく、メーカーの方やブランドオーナーの方もいらっしゃるかと思います。

今回は、弊社が自社ECサイトのリニューアルをご支援させていただいた、ヘアアイテムブランド「agetuya」の代表 輪湖氏にお話を伺い、ローネジャパンがどのようにして競争の激しい美容家電市場でどのように生き抜いてきたのか、その戦略と苦悩の歴史を紐解いていきます。


ブランドの成り立ちと歴史

ローネジャパン「agetuya」とは

ACROVE:まずは会社とブランドについて教えていただけますか。

輪湖氏:株式会社ローネジャパンは、美容家電や雑貨アイテムの製造販売を行っています。なかでもヒートヘアブラシ・ヘアアイロン「agetuya(アゲツヤ)」が人気商品として代表的です。2022年には楽天市場の年間総合家電ランキングトップ11位にランクインしました。

agetuyaの主力商品 ミニブラシアイロン

ACROVE:デイリーや週間での楽天ランキング入りはよく聞きますが、年間でランキング入りするとはすごいですね!テレビショッピングでも放送中に即完したと聞きました。

輪湖氏:そうですね、コードレスヘアアイロンをQVC放送で販売したところ、60分枠でしたが開始18分で完売しました。

QVCでの放送の様子(2024年7月)

ACROVE:楽天だけではなく、テレビショッピングのユーザー層にも人気だなんて、agetuyaのターゲット層は広いんですね。

輪湖氏:そうなんです。ヘアアイロンやコテと聞くと、若い女性がターゲット像としてイメージされることが多いですが、ローネのターゲット層は30-50代の女性もターゲットです。

昨年は、雑誌『リンネル』の暮らしの道具対象にも選んでいただきました。

『リンネル』2025年1月号 – 宝島社

ローネは平成5年(1993年)の創業後、家庭用機器が本格的に伸びる以前からその市場に取り組んできました。とくにagetuyaについては、Amebaブログ(アメブロ)やギフティングを活用し、”ギャルモ”のおかげで知名度を高めてきました。当時は、mod’s hairさんやReFaさんがまだ本格的に家庭用ヘアアイテム販売を販売しておらず、agetuyaが業界の先駆け的存在でした。

ACROVE:ギャルもといえば、以前、木下優樹菜さんがagetuyaとコラボしてくださっていましたよね。
現在では、SNSでのインフルエンサーマーケティングが美容商材にとってはマストとも言えますが、そのマーケティング戦略の礎を築いたのはagetuyaとも言えますね。

輪湖氏:オンラインでのマーケティングや販売戦略は約15年前からスタートし、その後、10年前くらいからは家電量販店やバラエティストアでの販売も行ってきました。
商品のラインナップは、カールアイロン、ストレートアイロン、ミニアイロン、ヒートブラシなど多岐にわたり、ときには廃盤を繰り返しながらも常に時代のトレンドに対応した商品を取り揃えてきました。

苦悩の歴史―商品の取捨選択

ACROVE:ヘアアイロンだけでも多くの種類があるようですが、商品の取捨選択や販売戦略はどのように設計しているのですか?

輪湖氏:基本的には、粗利率で判断をしています。

agetuyaの生産は中国で行っているため、為替によって粗利率は大きく左右されます。
そのような変化にも対応しながら利益を確保できるよう、商品企画段階から販売価格の設定や仕入れ値の調整・交渉が非常に重要なミッションとなっています。

中国の製造会社とのミーティングの様子

ブランドの駆け出しの頃は、日本国内のマーケットを見るとagetuyaのように高品質でお求めいただきやすい価格のブランドがいなかったため当時はブルーオーシャンでした。そこに前社長が目をつけブランドを立ち上げたわけですが、その後は競合がいくつも出てきたため、安くて良いものを売るだけでは売れ行きが苦しくなってきました。

ACROVE:今や美容商材は販売もマーケティングもレッドオーシャンですよね。

輪湖氏:そうですね。そのような状況下で、どのように粗利率を担保して売上をつくっていくか・伸ばしていくか、を考え抜いてたどり着いた一つの答えが、トレンドを商品に落とし込む速さです。

ACROVE:トレンドを押さえる”速さ”ですか。

輪湖氏:たとえばヘアアイロンのカラーは、数年前まではヴィヴィッドピンクのようにはっきりしたカラーや、美容家電=ピンクのイメージが主流でしたが、現在はくすみカラーやマットな質感の白黒がトレンドです。

また、コロナが終息してから、旅行先にヘアアイロンを持ち運びたいなどの新たな需要も生まれ、コードレスタイプのヘアアイロンの市場が拡大しました。

ヘアアイロンのデザインの変化

ACROVE:トレンドの移り変わりのはやさというと、アパレルや化粧品を思い浮かべますが、家電もはやいのですね。

輪湖氏:美容家電だからというのもあるかと思いますが、家電のように企画から製造、販売までに時間を要する商材で、トレンドを追いかけ続けることは大変です。
しかも、店頭とECそれぞれの売れやすい色や人気の色は違ったりするため、トレンドだけではなく、販路というビジネスマターな影響も受けるという理由もあります。

agetuyaはこまめにデザインアップデートを行うため、企画前調査~製造~販売~利益検証のスパンがかなり早いです。

ACROVE:agetuyaは、常に今どきのデザインになるようこまめにアップデートしているイメージでしたが、やはりマメなんですね。

輪湖氏:そうですね、最短の場合ですと商品企画で3-4ヶ月、製造で半年、販売・販促・利益検証は半年未満といったことも珍しくありません。
商品によっては企画から販売まで1年弱ということもありますね。これは業界内でもかなり早いと思います。

商品企画から販売までの過程

ブランドとしての最大の強み

ACROVE:販売の話が出ましたが、agetuyaの主力販路はやはりECモールなのでしょうか?

輪湖氏:Amazonと楽天、家電量販店やバラエティショップなどでのオフライン販売(卸売り)が売上の約75%、残りの25%はその他ECモールと自社サイトという感じです。

ACROVE:やはりAmazonや楽天といったビッグモールでの売上比率が高い一方、卸売りも強いのは長年の歴史があるからでしょうか。

輪湖氏:ローネの強みは販路です。
おっしゃるとおり、卸売りが強いのは、長年にわたる問屋さんと当社メンバーとの関係構築の結果です。このあたりは、コミュニケーションや関係性があってこそ成り立つ部分も往々にしてあるため、そのような基盤を持っていることがローネの大きな強みです。彼らとの歴史があるからこそ、頻繁に新商品の販売することができました。

ACROVE:新商品を出し続けられるということはということは、すなわち、商品が変わっても棚に置き続けてもらえているということですよね。

輪湖氏:ありがたいことに、ローネはバイヤーさんに支えられていると感じることが常々あります。たとえば、バイヤーさんがagetuyaの名前を知っていて、バラエティショップ側から「agetuyaでこういう棚をつくりませんか?」とお声がけいただくこともあります。
オフライン販売はEC販売ほど短期的な売上にはつながらないのですが、店舗に並ぶからこそ、いろんなところで多くの人に商品を見せることができます。

ACROVE:店舗の棚に並ぶことは、認知施策としても機能しますよね。

輪湖氏:そうですね。

また、ビッグモールが主力になっているのは、ただ単純にプラットフォームの利用者が多いからというだけではありません。

長年ECモールでの販売を行っていたからこそ、これまでのお客様の数々のお声がレビューとして蓄積されています。レビューは販売実績でもあり、プラスのレビューはお客様からの信頼の証でもあるため、プラットフォームのシステム上、売上を伸ばす後押しになります。
ローネは、ECモール内でのレビューが多いことも財産の一つです。

ACROVE:なるほど、オン・オフライン両方で販売のための財産を築いてきたわけですね。

輪湖氏:そのような財産を築けたからこそ、販路という強みを持てるようになりました。


agetuyaは、これまでの歴史のなかで時代の変化を捉え、顧客のニーズに応える商品を開発し続けてきました。それに加え、ブランドの最大の強みである強力な販路と、卸先との信頼関係を構築することで、着実に成長を遂げてきました。

後編では、agetuyaをどのようにしてユーザーに届けているのか、そして売上をつくるための販売戦略についてECに焦点を当てて、お話を伺います。

ACROVEでは、多数の自社ブランド運営のノウハウを活かし、事業者様の販売戦略立案からECサイト構築・運用代行まで、ワンストップでご支援しております。ECに関するお悩みはなんでもお気軽にご相談ください。

 

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