【EC担当者が知っておくべき法対応】特商法、ポリシー、利用規約など必須知識まとめ

こんにちは、BIZROVEです!

ECサイトを運営する上で、お客様に安心してお買い物をしていただくためには、各種の「表記」と「ポリシー」の整備が不可欠です。これらは、法令遵守はもとより、お客様との信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐためにも重要な役割を果たします。

この記事では、ECサイト運営において必要となる主な表記とポリシーについて、その概要と記載すべき内容、注意点などを詳しく解説していきます。

ECサイト運営を始めるにあたって、まずはどのような表記・ポリシーが必要なのかを把握し、適切な対応を進めていきましょう。

1. ECサイトで定めるべき主な表記・ポリシー

①法令で定められているもの

特定商取引法に基づく表記: これは必須です
プライバシーポリシー:個人情報保護法に基づき、個人情報の取り扱いについて定める必要があります
古物営業法に基づく表記:中古品を扱う場合は必要です
食品表示法に基づく表記:食品を扱う場合は必要です
薬機法に基づく表記:医薬品、医薬部外品、化粧品を扱う場合は必要です
酒税法に基づく表記:酒類を扱う場合は必要です

②顧客との取引で必要となるもの

利用規約:ECサイトの利用に関するルールを定めます
販売条件:商品の価格、支払い方法、配送方法、返品・交換などについて定めます
会員規約:会員登録、会員資格、退会などについて定めます
ポイントプログラム規約:ポイントの付与、利用、有効期限などについて定めます
クーポン利用規約:クーポンの発行、利用条件、有効期限などについて定めます
アフィリエイトプログラム規約:アフィリエイトプログラムの参加条件、報酬、禁止事項などについて定めます

サービス提供で必要となるもの

返品ポリシー:返品・交換の条件、返品方法、返送料などについて定めます
返金ポリシー:返金の条件、返金方法、返金手数料などについて定めます
キャンセルポリシー:キャンセルの条件、キャンセル料などについて定めます
配送ポリシー:配送業者、送料、配送地域、配送時間帯などについて定めます
保証ポリシー:商品の保証内容、保証期間などについて定めます
修理・メンテナンスポリシー:修理・メンテナンスの受付方法、料金、期間などについて定めます
お問い合わせ・サポートポリシー:問い合わせ方法、受付時間、対応方法などについて定めます

④サイト運営で必要となるもの

Cookieポリシー:Cookieの利用目的、種類、拒否方法などについて定めます
セキュリティポリシー:個人情報や決済情報の保護対策などについて定めます
免責事項:ECサイトの利用による損害などについて、ECサイト運営者の責任を免除または制限する事項を定めます
禁止事項:ECサイトの利用において禁止する行為を定めます
知的財産権ポリシー:ECサイトに掲載されているコンテンツの著作権などについて定めます

2. 特商法への対応

ECを運営するにあたり、特定商取引法(いわゆる「特商法」)に基づく表記は必須対応事項となります。その他の法対応やポリシーは、サイトの規模や業種、取り扱う商品・サービスによって異なりますが、特商法への対応は避けられません。

表記すべき内容

1. 事業者の情報

  • 販売事業者の氏名または名称:法人の場合は、登記簿上の正式な会社名が必要です。個人の場合は、屋号ではなく本名が必要です
  • 住所:実際に事業を行っている住所を記載します
  • 電話番号:連絡が取れる電話番号を記載します
  • メールアドレス:問い合わせに対応できるメールアドレスを記載します
  • 代表者名 (法人の場合):法人の場合は、代表者の氏名を記載します
  • 運営責任者名:ECサイトの運営責任者を置いている場合は、その氏名を記載します

2. 商品・サービスに関する情報

  • 販売価格:商品・サービスの価格(税込)を明確に表示します
  • 送料:送料が発生する場合は、その金額を明確に表示します
  • 支払い方法:利用できる支払い方法(クレジットカード、銀行振込、コンビニ払いなど)を全て記載します
  • 支払い時期:代金の支払い時期を具体的に記載します(例:クレジットカード決済の場合はカード会社の締め日と支払い日、銀行振込の場合は振込期限など)
  • 商品の引き渡し時期:商品の発送時期を具体的に記載します(例:注文確定後〇日以内に発送、予約商品の場合は発送予定時期など)
  • 返品・交換:返品・交換の条件や期限、返品・交換時の送料負担について明確に記載します

とくに注意すべき点

  • 定期購入契約:定期購入契約の場合は、契約期間、解約条件、支払い金額などを特に明確に表示する必要があります
  • デジタルコンテンツ:デジタルコンテンツの場合は、提供時期、利用条件、動作環境などを明確表示する必要があります

※上記の内容はあくまで情報提供を目的としており、法的なアドバイスではありません

表記場所

ECサイトにおいて、顧客が最も重要な情報を確認できる場所に表示する必要があります。具体的には、以下の場所が考えられます。

サイトのフッター

多くのECサイトでは、サイトの最下部にあるフッターに「特定商取引法に基づく表記」へのリンクを設置しています。フッターは、サイトのどのページからもアクセスしやすいため、顧客が情報を確認するのに便利です。

特定商取引法に基づく表記ページ

「特定商取引法に基づく表記」の内容を詳しく記載したページを作成し、そのページへのリンクをサイトの様々な場所に設置します。

具体的には、以下のようにフッターを設定し、クリックすると表記ページに遷移させることが一般的です。

テンプレートとShopifyでの記載方法はこちら
>>「特定商取引法に基づく表記とは?テンプレートとShopifyでの記載方法」https://www.shopify.com/jp/blog/specified-commercial-transactions

実際の特商法表記例はこちら
・食品「anoma」https://anoma.jp/shop/law_info
・美容家電、アパレル、美容雑貨「ローネ」https://ronne.co.jp/policies/legal-notice
・ペット用品「The Mate Tokyo」https://thematetokyo.com/pages/law_info
・家電「にゃんばるストア」https://nyanbaru-store.com/policies/legal-notice
・雑貨「MyComfort」https://mycomfort.jp/policies/legal-notice
・カー用品「サムライプロデュース」https://samuraiproduce.jp/html/ordercontract.html
・アウトドア用品「WOODSTOCK」https://woodstock-outdoor.jp/policies/legal-notice

3. ポリシーへの対応

ポリシーとは、ECサイトの運営に関するルールや条件を明文化したもので、お客様との信頼関係を築き、トラブルを未然に防ぐために重要な役割を果たします。

ECサイトで定めるべきポリシーは多岐にわたりますが、ここでは、とくにミニマルマストで対応が必要なポリシーと、その他の主要なポリシーについて、その概要を説明します。

利用規約

ECサイトの利用に関するルールや条件を定めたもので、お客様とECサイト運営者の間でトラブルを防止するために重要な役割を果たします。

ECサイトの利用に関するルールや条件を定めたもので、お客様とECサイト運営者の間でトラブルを防止するために重要な役割を果たします。

  • 会員に関する事項
  • 禁止事項
  • 商品に関する事項
  • 知的財産権に関する事項
  • 免責事項
  • 損害賠償
  • 紛争解決
  • 利用規約の変更

などを定めることが一般的です。

プライバシーポリシー

顧客の個人情報の取り扱いについて定めたもので、個人情報保護法を遵守するために必要です。近年では、個人情報保護に対する意識が高まっているため、プライバシーポリシーの内容は特に重要視されています。

  • 個人情報の取得
  • 個人情報の利用目的
  • 個人情報の第三者提供
  • 個人情報の管理
  • 個人情報の開示・訂正・削除
  • お問い合わせ窓口

などを定めることが一般的です。

その他の主要なポリシー

上記3つのポリシーに加えて、ECサイトの運営状況に合わせて、以下のポリシーを定めることも検討しましょう。
ただ、対応はあくまでも任意となるため、どのように対応するか、そもそも対応すべきかについては、状況に合わせて検討するのがよいでしょう。

  • 商品・サービスに関するポリシー
    • 返金ポリシー
    • 配送ポリシー
    • 交換ポリシー
    • 保証ポリシー
    • 商品に関する免責事項
  • サイト運営に関するポリシー
    • Cookieポリシー
    • サイトの利用に関する免責事項
    • 知的財産権に関するポリシー
    • 禁止事項
    • お問い合わせ・サポートポリシー
  • その他
    • ポイントポリシー
    • 会員規約

これらのポリシーは、ECサイトの規模や業種、取り扱う商品・サービスによって必要となるものが異なります。

ポリシー策定のポイント

法令遵守:関連する法令を遵守し、適切な内容を定める
明確性:誰にでも分かりやすい言葉で、具体的に内容を記述する
網羅性:ECサイトの運営に必要な情報を網羅する
顧客目線:顧客が安心して利用できるような内容にする
定期的な見直し:法令改正やサービス内容の変更に合わせて、定期的に内容を見直す

まとめ

この記事では、ECサイト運営において必要となる主な表記とポリシーについて解説しました。
ECサイトの運営は、法的な規制や顧客との信頼関係など、様々な側面から注意を払う必要があります。この記事が、ECサイト運営を始めるにあたって、必要な情報を把握し、適切な対応を進めるための一助となれば幸いです。

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