ECサイト構築、ノーコードでどこまでできる?ASPカートを事例付きで徹底比較

こんにちは、BIZROVEです!

ECサイトの構築を検討する際、スクラッチ開発、パッケージ導入、サーバー型など、様々な選択肢がありますが、近年注目されているのがASPカートシステムです。
ASPカートシステムとは、クラウド上で提供されるECサイト構築サービスで、専門知識がなくても手軽にECサイトを立ち上げることができます。

しかし、ASPカートとシステム一口に言っても、様々なサービスがあり、
「結局どれを選べばいいのかわからない…」「ノーコードでどこまでできるのか知りたい!」というお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?

本記事では、ECサイト構築を検討する中で、
・すでにスクラッチ開発、パッケージ導入、サーバー型と比較検討した上でASP型を検討している
・事業規模、要求機能、スタッフの技術レベル、費用感を加味してASPカートを選択したい
・ASPカートの操作性と対応可能領域の広がりで選びたい
という方に向けて、ASPカートシステムでノーコードでどこまで何ができるのかを解説します。

1. ASPカートシステムの機能

①基本機能

ASPカートでは、主に以下のことがノーコードで実現できます。

ECサイトの立ち上げ
・テンプレートを選んで、デザインを簡単に設定
・商品登録、在庫管理
・決済方法の設定
・配送設定

ECサイトの運営
・受注管理、顧客管理
・メールマガジン配信
・SEO対策
・アクセス解析
上記以外にも、ASPカートによっては様々な機能がノーコードで利用できます。

②編集機能の比較

Shopify

Shopifyでは「テーマエディター」という各ページをほぼノーコードで直感的に更新できるエディター(CMS)が備わっています。
ECサイト上のバナーやテキスト・アイコン、おすすめ・新着商品、ブログなどのコンテンツを、専門的な知識を持たずとも容易に更新が可能です。

Shopify編集画面

※CMS=「Contents Management System:コンテンツ・マネジメント・システム」の略。Webサイトのコンテンツを構成するテキストや画像、デザイン・レイアウト情報(テンプレート)などを一元的に保存・管理するシステムのこと。

ノーコードでできること

ドラッグ&ドロップでレイアウトを自由自在に変更
ページの構成要素をドラッグ&ドロップで移動させ、思い通りのレイアウトを実現できます。セクションの追加、削除、順番の入れ替えも簡単です。

豊富なコンテンツブロック
テキスト、画像、動画、スライドショー、商品リスト、ブログ記事リスト、SNSフィードなど、多様なコンテンツブロックをノーコードで追加できます。

・デザインの細部までカスタマイズ
色、フォント、ボタンの形状、背景画像など、デザインの細部までノーコードで調整できます。

・アプリで機能を拡張
Shopify App Storeには数千ものアプリがあり、ECサイトに必要な機能をノーコードで追加できます。たとえば、ポップアップ表示、カウントダウンタイマー、顧客レビュー表示、SNS連携など、多様な機能を拡張できます。

ノーコードでは難しいこと

・完全にオリジナルのテーマをゼロから作成すること
・JavaScriptなどを用いた高度なアニメーションや動的なコンテンツを実装すること

BASE・STORES

BASEとSTORESは、Shopifyに比べると機能は限定的ですが、専門知識がなくても直感的に操作できるシンプルな編集機能を提供しています。

BASEの編集画面

BASE「テーマエディタの使い方」(https://docs.thebase.in/docs/template/guideline/editor

STORESの編集画面

【STORES(ストアーズ)】ストアデザインのカスタマイズをご紹介!(https://blog.universe-web.jp/7836/

ノーコードでできること

・基本的なテキスト編集
ページ内のテキストの編集、フォントの種類、サイズ、色の変更などができます。


画像の追加と配置
商品画像やバナー画像などをアップロードし、サイズ調整や配置を行えます。

テンプレートの選択
用意されたテンプレートから好みのものを選択できます。ただし、種類の豊富さはShopifyが上回ります。

一部コンテンツのカスタマイズ
ヘッダーやフッターなど、一部のコンテンツはノーコードでカスタマイズできます。

ノーコードでは難しいこと

・Shopifyのような自由度の高いレイアウト編集
・多彩なコンテンツブロックの追加 (動画、スライドショーなど)
・デザインの詳細なカスタマイズ

makeshop

makeshopは、ノーコードで編集できる範囲が限られています。HTML/CSSの知識が必要となるケースが多く、本格的なカスタマイズにはコーディングが必要です。

ノーコードでできること

基本的なテキスト編集
ページ内のテキストの編集、フォントの種類、サイズ、色の変更などができます。

画像の追加と配置
商品画像やバナー画像などをアップロードし、サイズ調整や配置を行えます。

・テンプレートの選択
用意されたテンプレートから好みのものを選択できます。

ノーコードでは難しいこと

・ページレイアウトの自由な編集
・コンテンツブロックの追加 (動画、スライドショーなど)
・デザインの詳細なカスタマイズ (Shopifyのようなテーマエディターは提供されていません)

③機能比較

今回は、Shopify、BASE・STORES、makeshopでノーコードで対応できる範囲を比較してみます。

Shopify:突出したカスタマイズ性と拡張性

他のプラットフォームと比較して、圧倒的な数のアプリ(エクステンション、拡張機能)を持つ点が大きな特徴です。
これにより、ノーコードで利用できる機能が非常に多岐に渡り、高度なカスタマイズや外部連携も実現できます。

他のプラットフォームではコーディングが必要な機能も、Shopifyアプリを利用すればノーコードで対応できるケースが多くあります。
そのため、Shopifyは「ノーコードでできることの幅が広い」という点で、他のプラットフォームとは一線を画しています。

BASE&STORES:手軽さとシンプルさが共通

BASEとSTORESは、どちらも初心者でも手軽にECサイトを開設・運営できる点を強みとしています。
機能面では、ECサイト運営に必要な基本的な機能は揃っていますが、高度なカスタマイズや外部連携はShopifyに比べて限定されます。
ノーコードで対応できる範囲も、ECサイトの基本的な機能に留まります。

makeshop:中間的な位置づけ

MakeShopは、Shopifyほどではありませんが、比較的高いカスタマイズ性を備えています。
外部連携機能も充実しており、ShopifyとBASE&STORESの中間的な位置づけと言えます。
ノーコードで対応できる範囲も、BASE&STORESよりは広く、Shopifyよりは狭いという具合です。

機能比較

機能ShopifyBASE / STORESmakeshop
商品登録・編集
在庫管理
注文管理
顧客管理
決済機能
配送設定
クーポン発行
ポイント付与
メールマガジン配信
アクセス解析
SEO設定
ブログ機能
(カスタムページ or
簡易ブログ機能)
複数言語対応
(外部サービス or HTML編集)
会員ランク設定
(アプリで対応)
×
(一部標準、アプリで拡張)
高度なカスタマイズ△ (HTML/CSS/JavaScript)×△ (HTML/CSS/JavaScript)
外部サービス連携
(一部サービス)
API利用
(一部機能)

○:ノーコードで可能
△:一部機能はノーコードで可能、またはアプリ・プラグインで対応可能
×:基本的にコーディングが必要
※システムのアップデートによって、実際の内容が異なる場合があります

見極めポイントは?とくに気になる機能を細かく比較

機能の比較のなかでもとくに要検討となることが多い人気機能を取り上げて比較してみます。

機能ShopifyBASE / STORESmakeshop
会員ランクに応じた特典や割引の設定
(アプリで対応可)
×
(一部標準機能、アプリで拡張可)
ポイントプログラムのカスタマイズ
(アプリで対応可)
×
パーソナライズされたレコメンド機能
(アプリで対応可)
×
(アプリで対応可)
高度なクーポン設定
(基本的なクーポン設定のみ)
複数配送先への対応
(アプリで対応可)
××
ギフトラッピングオプション
(アプリで対応可)

(一部アプリで対応可)

(一部標準機能、アプリで拡張可)

  • 会員ランクに応じた特典や割引の設定

Shopify: アプリを利用することで、会員ランクに応じた特典や割引を設定できます。ポイント付与率や送料無料などの設定も可能です

BASE / STORES: 標準では会員ランク設定はできません。外部サービスと連携するか、独自にシステムを開発する必要があります

makeshop: 標準で会員ランク設定ができます。購入金額や購入回数に応じたランク設定、特典付与などが可能です。アプリでさらに機能を拡張することもできます

  • ポイントプログラムのカスタマイズ

Shopify: アプリを利用することで、ポイント付与率や有効期限、利用条件などを細かく設定できます

BASE / STORES: 標準ではポイントプログラムは提供されていません

makeshop: 標準でポイントプログラムを搭載しており、ポイント付与率や有効期限、利用条件などを細かく設定できます

  • パーソナライズされたレコメンド機能

Shopify: アプリを利用することで、顧客の閲覧履歴や購入履歴に基づいて、商品やコンテンツをパーソナライズして表示できます

BASE / STORES: 標準ではパーソナライズされたレコメンド機能は提供されていません

makeshop: アプリを利用することで、パーソナライズされたレコメンド機能を実装できます

  • 高度なクーポン設定

Shopify: クーポン利用条件や割引率、有効期限などを細かく設定し、様々なキャンペーンを実施できます

BASE / STORES: 基本的なクーポン設定(割引額、割引率、有効期限)は可能です

makeshop: Shopifyと同様に、高度なクーポン設定が可能です

  • 複数配送先への対応

Shopify: アプリを利用することで、一度の注文で複数の配送先を指定できるようにできます。

BASE / STORES: 標準では複数配送先への対応はできません

makeshop: 標準では複数配送先への対応はできません

  • ギフトラッピングオプション

Shopify: アプリを利用することで、ギフトラッピングサービスを提供できます。ラッピングの種類やメッセージカードなどのオプションも設定可能です

BASE / STORES: 一部のアプリでギフトラッピングオプションを提供できます

makeshop: 標準でギフトラッピング設定が可能です。アプリでさらに機能を拡張することもできます

2. 実際のサイトをご紹介

Agetuya – 株式会社ローネジャパン(https://ronne.co.jp/

利用カートシステム:Shopify

サイトの特徴:

・ユーザー環境のメインとなるスマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからアクセスしても見やすいようにレスポンシブ対応が徹底されている

・商品単価が比較的高くCV率担保のためには顧客コミュニケーションが必須となるため、LINE連携機能を実装し顧客接点を創出

・メルマガ購読者=ファン顧客限定施策の実施(タイムセールやお誕生日おめでとうクーポンなど)



・読み物コンテンツ(ヘアケアやスタイリングに関する記事)が掲載されており、顧客の役立つ情報の提供。SEO対策としても有効

・カゴ落ちメールの設定

SAKEICE – 株式会社えだまめ(https://sakeice.shop

利用カートシステム:STORES

サイトの特徴:

・バッジ(人気商品「HOT」、新商品「NEW」)を設置しシンプルかつわかりやすい設計


・ギフト配送や細かい配送設定(日時指定)への対応

・ノーコードでも年齢確認のオプトイン導線を確保
>>酒類をECサイトで取り扱う場合の注意点についてはこちら

・BtoB/BtoC取引のための領収書発行に対応
>>BtoB ECについてはこちら

サムライプロデュース – 株式会社アイティエスジャパン(https://samuraiproduce.jp/


利用カートシステム:makeshop

サイトの特徴:

・車種、パーツの種類、ブランドなど、様々な切り口で商品を探せるように工夫されている

・取付ガイドや説明書ダウンロードページを設け、購入を検討する際に役立つ情報が提供されている

・サイドバーでの商品訴求を充実させ、顧客体験(接客)を向上

3. 選び方のポイント

ここまで各ASPカートシステムを比較してきましたが、結局どれを選ぶべきか悩んでいる方もいるかもしれません。
そこで、それぞれのカートシステムがどのようなニーズに合っているかをまとめました。

Shopify

  • こんな人におすすめ
    • 本格的なECサイトを構築したい
    • 高度なカスタマイズ性や拡張性を求めている
    • 将来的な事業拡大を見据えている
  • ポイント
    • デザインテンプレートが豊富で、自由なカスタマイズが可能
    • アプリストアで様々な機能を追加できる
    • SEO対策に強く、集客力も高い
    • 大規模サイト向けのShopify Plusプランも用意。事業規模に応じてアップデートも可能

BASE/STORES

  • こんな人におすすめ
    • 初めてECサイトを構築する
    • 手軽にECサイトを始めたい
    • 個人事業主や小規模事業者
  • ポイント
    • シンプルで使いやすく、初心者でも簡単に操作できる
    • シンプルな操作性で、初心者でも扱いやすい

makeshop

  • こんな人におすすめ
    • 多機能でカスタマイズ性の高いECサイトを構築したい
    • 中規模〜大規模のECサイトを運営したい
    • ECサイト運営の知識や経験がある程度ある
  • ポイント
    • 豊富な機能が標準搭載されており、様々なニーズに対応できる
    • カスタマイズ性が高く、自由度の高いECサイトを構築できる

まとめ

カートシステムの選定には、費用、機能、操作性、カスタマイズ性、サポート体制などのポイントを踏まえ、場合によっては具体的な要求機能を明確にしたうえで検討をする必要があります。

もし、さらに詳しい情報が必要な場合は、各ASPカートシステムの公式サイトを確認したり、無料トライアルなどを活用して実際に操作してみること一つの手でしょう。
ご不明点や気になることがございましたら、ぜひACROVEまでご相談ください!

ACROVEでは、多数の自社ブランド運営のノウハウを活かし、事業者様の販売戦略立案からECサイト構築・運用代行まで、ワンストップでご支援しております。ECに関するお悩みはなんでもお気軽にご相談ください。

 

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