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BtoB ECとは?構築手法から費用感まで徹底解説

こんにちは、BIZROVEです!

近年、BtoB(企業間取引)の電子商取引(EC)が急速に進化しています。特に卸売事業者にとって、オンラインでの取引は新たなビジネスチャンスを広げるだけでなく、取引の効率化やコスト削減にもつながります。

BtoB ECサイトを構築するには複数の手法があるため、「自社にはどれが適切か判断できない」「費用感のイメージがつかない」といったお悩みの一助になるよう、本記事では卸売事業者向けに、BtoB ECの構築における重要な要素と成功するためのヒントをご紹介します。

1. BtoB ECの市場動向

令和3年の日本国内のBtoB-ECの市場規模は420.2兆円(前年比12.8%増)、EC化率は37.5%(前年比1.9ポイント増)と業界全体でDX化の追い風もあり、卸売業界でもオンライン化が顕著に進んでいます。
(同年のBtoCの市場規模は22.7兆円、EC化率は9.13%)

令和4年度 電子商取引に関する市場調査(経済産業省)

“BtoB ECサイト” と “EDI”

BtoB ECでの取引は、一般的に「BtoB ECサイト」と「EDI」という2種の形態があります。

■ BtoB ECサイト
BtoB ECサイトは、商品の受発注対応を行う「受発注システム」と呼ばれるケースもありますが、システムによってはマーケティング機能や分析機能を搭載しているものもあり、BtoC ECのように新規顧客の獲得や売上、リピート率向上の施策立案から実行までをワンストップで実現させることも可能です。

■ EDI
EDI(Electronic Data Interchange)は、企業間のデータ交換を行うことを目的とした仕組みです。企業間で取り決めたルールや回線に合わせて受発注を行うため、ボリュームのある固定取引が複数ある場合でれば、業務効率化を図れるシステムです。

■インターネット回線への切り替えを促す「2024年問題」
多くのEDIでは「ISDN回線(電話回線を利用したインターネット技術)」を使っており、このISDN回線は2024年で終了となっています。このことからISDN回線のEDIを利用していた企業は、インターネット回線のEDIへの切り替えか、BtoB ECサイトへの移行を余儀なくされました。

そのような背景もあり、近年では導入が手軽で、マーケティング施策を同一システムで行える、「BtoB ECサイト」が注目されています。

ECサイトの構築手法についてはいくつか存在するため、費用感も含めて後述いたします。

2.BtoB ECのメリット

BtoB ECの導入は、従来の電話やFAXによる見積もり依頼や発注業務をオンラインで完結させることにより、業務効率の向上を実現するだけでなく、売り手企業にも多くのメリットをもたらします。

新規顧客の獲得
インターネット環境があればどこからでもアクセスできるBtoB ECを導入することで、これまで接触できなかった企業に対しても、手軽に情報提供が可能になります。また、その情報を見た企業がオンラインで発注を行う機会も増え、新規顧客を効率的に獲得できるようになります。

受注機会の拡大と売上向上
電話やFAXでのアナログな発注方法では、受け付けることができる時間帯が営業時間内に限られます。そのため、商談中や営業時間外に受注のチャンスを逃すこともあります。

一方、BtoB ECを導入すると、顧客は24時間365日、どこからでも自分のペースで注文を行えるようになります。さらに、ECサイト内で商品情報を閲覧しながら追加購入することも可能となり、従来見逃していた受注のチャンスを逃さず、売上の増加にも繋がります。
また、顧客管理やマーケティング機能が備わっているシステムであれば、「取引金額」や「最終取引日時」などから取引先をセグメントし、メルマガや特別割引のキャンペーンなどの施策を実行することもできます。

受注対応業務の効率化
従来、電話やFAXでの受注対応では、担当者が手動で注文内容を基幹システムに入力しなければならず、作業負担が大きいだけでなく、聞き間違いやFAXの不鮮明な文字による誤発注など、ミスが発生するリスクも高くなります。
BtoB ECでは、注文が自動的にシステムに反映され、手動入力や確認作業が不要になります。これにより、業務効率が大幅に向上し、人的ミスを減らしながら、よりスムーズな受注対応が可能になります。

問い合わせ対応業務の削減
BtoBの取引では、見積もり依頼や商品の在庫状況、納期の確認など、さまざまな問い合わせが発生することがあります。これらの対応に時間を割かれてしまうと、業務効率が低下してしまいます。

しかし、BtoB ECサイトに商品の在庫数や納期情報をリアルタイムで掲載することで、顧客は自分で必要な情報を確認できるようになります。また、見積もりの自動発行機能を導入することにより、従来の手間のかかる見積もり作業を簡素化し、問い合わせ対応の工数を削減できます。

3. BtoB ECサイトの種類

BtoB ECサイトにはさまざまな形態がありますが、ここでは代表的な「クローズド型」と「オープン型」のBtoB ECサイトについて解説します。どちらを選ぶかは、事業の目的や顧客層に応じて適切に選定することが重要です。

1.クローズド型

クローズド型BtoB ECは、会員登録をした企業だけがアクセスできるECサイトです。このタイプのサイトでは、一般の訪問者は閲覧することができず、IDとパスワードを持つ登録ユーザーのみが商品の詳細情報を確認したり、注文を行ったりすることができます。

クローズド型は「会員専用サイト」や「会員制EC」とも呼ばれ、特定の取引先企業に対して情報を限定的に提供したい場合に適しています。

メリット

  • 機密性の高い情報管理
    • 商品情報や価格など、取引先専用の情報を外部に公開せず、機密性を保つことができます。
  • 顧客ごとの対応
    • 取引先ごとに異なる価格設定や販促情報を提供したり、個別のサービスを提供したりすることが可能です。
  • Web集客コストの削減
    • 限られた会員のみに情報を配信することで、広範囲なWeb集客のコストを抑えつつ、効率的にターゲットを絞り込むことができます。

デメリット

  • 新規顧客の獲得が難しい
    • 既存の取引先に対しては便利ですが、新規開拓には向いていない場合があります。
  • 運営に手間がかかる
    • 会員管理や個別対応の部分で運営コストや管理手間が増える可能性があります。

適しているケース

  • 既存顧客とのリピート営業を強化したい
  • 特定の顧客に向けた専用の販促活動を行いたい
  • 取引先の情報の機密性を重視する場合
  • EDI(電子データ交換)システムからBtoB ECサイトへの移行を考えている場合

2.オープン型

オープン型BtoB ECは、誰でもアクセスできる公開型のECサイトです。取引先は、サイトに登録することで利用を開始でき、営業担当者が直接アプローチできない遠方の顧客や小口の取引先にも対応できます。

基本的に、オンラインで誰でも商品を閲覧し、注文することができるため、商圏を広く取ることができ、既存顧客との取引だけでなく、新規顧客の獲得にも有効です。

メリット

  • 広範な顧客層にアプローチ
    • どこからでもアクセス可能で、既存顧客に加えて新規顧客を獲得できるチャンスが広がります。
  • 手軽な取引
    • 顧客はサイト上で簡単に商品を購入でき、取引のハードルが下がります。
  • マーケティング活動の自由度
    • オープンなプラットフォームを活用して、広範囲な販促活動や新規開拓に力を入れることができます。

デメリット

  • 情報の管理が難しい
    • 公開されている情報は誰でもアクセスできるため、機密情報や価格設定の管理には注意が必要です。一方で、一部の情報はログイン必須とするなどの制御を行うことも可能です。
  • 競合との競争
    • オープン型のため、多くの競合が同じ市場に参入する可能性があり、差別化が重要になります。

適しているケース

  • 広範囲に新規顧客をターゲットにしている場合。
  • 小口取引や遠隔地の取引先との商談が多い場合。
  • 商品情報や在庫情報を公開し、手軽に注文を促進したい場合。

「クローズド型」と「オープン型」のBtoB ECサイトを紹介しましたが、必ずしもこれらの形式にこだわる必要はありません。例えば、クローズド型のメリットを取り入れつつ、特定のセグメントに対してオープンな情報提供を行うなど、ハイブリッド型のサイト運営も選択肢の一つです。

また、BtoCとBtoBを統合して運営する、「統合型」という選択肢もございます。

最終的にどの形態を選ぶかは、企業の商習慣や今後のビジネス展開をもとに決めていくがが重要です。新規顧客の獲得を重視するのか、既存顧客との関係強化を目指すのか、それぞれの状況に応じた最適なBtoB ECの形を目指しましょう。

4.BtoB ECサイトの構築方法

BtoB ECサイトを立ち上げる際には、「パッケージシステム」「ASPカート」「フルスクラッチ」の3つの主要な構築方法があります。それぞれに特徴があり、実現したい機能や予算、運用体制に応じて最適な方法を選択することが重要です。以下では、各方法の詳細とその特徴を紹介します。

1.パッケージシステム

パッケージシステムは、ECサイト運営に必要な基本的な機能があらかじめ組み込まれたプラットフォームです。これをベースに、企業のニーズに合わせてカスタマイズを加えながらECサイトを構築します。ゼロから作成する必要がなく、効率的に構築が可能です。

最近では、BtoBに特化したパッケージも増えており、取引先の管理や商談機能、価格設定など、BtoBならではの機能を簡単に実装できるプラットフォームも登場しています。

BtoB ECパッケージ例

構築費用目安

  • 機能要件によるものの、1千万前後〜
  • ミニマムな要件であれば数百万で実現も可能

2.ASPカート

ASPカートは、クラウドベースのサービスを利用して手軽にECサイトを立ち上げる方法です。月額費用数万円程度で導入できるため、初期・ランニング費用を抑えつつ、シンプルに運営を始めたい企業に適しています。
運営側は、ベンダーが行うセキュリティ対応やバージョンアップを利用することができ、メンテナンスが容易な点もメリットと言えます。また、ASPカートによっては分析やマーケティング機能が豊富なものもあり、BtoB領域での導入も急速に広がってきています。

BtoB ASPカート例

  • Shopify
  • Bカート

構築費用目安

  • 機能要件によるものの、500万円前後〜
  • ミニマムな要件であれば2〜300万円で実現も可能

3.フルスクラッチ

フルスクラッチは、必要な機能やデザインをゼロから設計・開発するオーダーメイドの構築方法です。自社の要件に完全に合わせたECサイトを作ることができるため、非常に高い自由度がありますが、開発期間とコストは他の方法に比べて大きくなります。

構築費用目安

  • 機能要件によるものの、数千万〜

5.まとめ

BtoB ECサイトの構築は、単なるオンラインショップの立ち上げではなく、取引先のニーズをしっかりと反映させたシステム設計が求められます。大量注文への対応、卸売事業者としての強みを活かし、オンラインでの取引を拡大させていきましょう。

BtoB ECサイトの新規構築やリニューアルをご検討されているなかで、気になる点やご不明な点等がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください!

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