こんにちは、BIZROVEの高橋です!
「ECサイトの売上をアップさせたいけど何をしたら良いか分からない」
ECサイトはユーザーの顔が見えず何をすれば売上アップできるか分かりにくいですよね。
そんな時に有効なのが「ECサイトの離脱を改善すること」です。
ユーザーは「商品を購入したい」「返品可能か知りたい」など、何らかの目的を持ってサイトへ訪れます。そのためユーザーが求める情報を分かりやすく配置することで離脱を抑止し、結果としてコンバージョンへ結びつけることが可能です。
この記事ではECサイトの離脱原因と解決方法をご紹介します。
1.ECサイトにおける離脱(カゴ落ち)とは?
離脱とはサイトに訪問したユーザーが回遊せずそのまま別サイトへ移動したり、ブラウザを閉じてサイトを離れてしまうことを指します。
これを定量的に図る指標が「離脱率」です。
離脱率を改善することで訪問したユーザーをなるべくサイトに滞在させ、コンバージョンへ結びつけることができます。なお、離脱率と似た言葉として「直帰率」がありますが、これはユーザーが訪問した1ページ目(そのサイトとの接点となったページ)をみてすぐに離脱した割合を指し、離脱率とは別の意味を持つのでご注意ください。
まずは現状の離脱数を把握して、必要な改善策を考えていきましょう。
離脱数の確認方法(自社サイトの場合)
離脱しているユーザー数を確認する際は「Googleアナリティクス」を活用します。
※Googleアナリティクスはページビュー、ユニークユーザー数といった「ユーザー数」と直帰率、回遊率といった「ユーザー行動」を分析することができるGoogleツールです。
- まずはGoogleにログインした状態でGoogleアナリティクスを開きます。
- 左にカテゴリーが用意されてますので、その中から「行動」⇒「概要」を選択します。
- 開いたページで集計指標を離脱率に変更すると確認できます。
※特定のページを分析したい場合は、②で「行動」⇒「サイトコンテンツ」⇒「すべてのページ」を選択してください。
離脱数の確認方法(楽天市場の場合)
楽天市場へ出品している場合は、楽天が提供する分析ツール「R-Karte(アールカルテ)」を使って、自店舗の強みと弱みを把握し売上アップを目指すことができます。
R-Karteでは次の5つの情報を確認することができます。
- アクセス数
- 検索キーワード
- デバイス割合
- ページ別の転換率(離脱率のこと、楽天内では転換率と呼ばれている)
- 客単価
このうち転換率に関しては、R-Karteの売上改善アクションツールから確認・分析することができ、商品ごとに何を改善すべきかが一覧ですぐに分かります。
離脱率の計算式、一般的な平均値
離脱率は
「そのページの離脱数÷そのページのPV(ページビュー)数×100」
という計算方法で導き出されます。
カゴ落ち対策ツール「CART RECOVERY」を提供する株式会社イー・エージェンシーによる調査結果によると、ECサイトのカゴ落ち率は平均で約68.2%で、実に10人のうち7人は購入せず、機会損失しているそうです。
※離脱率はジャンルによって大きく異なります。あくまで参考値としてご覧ください。
2.ECサイトの離脱(カゴ落ち)は発生場所が重要
離脱率は低ければ低いほど良いとされますが、ECサイト内の各ページにはそれぞれ「集客」「申込」「リピート」と役割があります。
集客ページでは「ちょっと気になって見てみただけ」という潜在ユーザーが多く含まれるため離脱率は高くなります。
一方で申込ページでは「購入しよう」と決めた顕在ユーザーが多いため、その状態で離脱率が高いのは何らかの課題があると言えます。
このようにユーザーは様々な目的でサイトを訪問しているため、高いからといって改善すべきポイントであるとは言えません。ここではよくある離脱ポイントをご紹介します。
ECサイトでよくある離脱ポイント
ECサイトのコンバージョンまでの流れは「①サイト訪問→②商品閲覧→③ブックマーク→④カートに入れる→⑤会員登録・決済登録→⑥購入」の6ステップに分かれます。
その中でも特に「①サイト訪問→②商品閲覧」と「④カートに入れる→⑤会員登録・決済登録」において、離脱率が高くなる傾向があります。
まず「①サイト訪問→②商品閲覧」に関してはユーザーの目的が抽象的である場合が多いため、③以降のステップに移行する前に離脱するケースが多いです。
また、「④カートに入れる→⑤会員登録・決済登録」は反対に会員登録や決済登録は心理的ハードルが高く、ひとまずカードに入れたもののあとで考えよう…というユーザーが多く離脱率が高くなります。
離脱率の改善効果シミュレーション
では、離脱率を改善することでどれほど効果があるのかシミュレーションしてみましょう。
まず、全てのページの離脱率を改善することが理想ですが、あまり現実的ではないため「運営が目標とするKPIと近い部分」から着手するのが望ましいです。
例えば、以下の場合だと、トップから商品閲覧が5%改善しても申込数は45件から52件にしか増えませんが、会員登録から申込が5%改善するだけで45件から67件まで申込数が増えます。
このように売上に直結する申込ページやカートページ、次いで商品詳細ページ、トップページの順に改善していくのがおすすめです。
例:
- トップ:100万UU
- 商品閲覧:30万UU(30%)
- お気に入り:9万UU(30%)
- カート:9,000(10%)
- 会員登録:450(5%)
- 申込:45(10%)
上記例でいうと会員登録から申込への移行率が5%改善するだけで売上は約1.5倍までアップすることが分かります。このようにコンバージョンに近いページの離脱率を改善することで売上アップに大きく寄与します。では、ここからは具体的な離脱の原因とそれに対する抑止策を考えていきます。
3.ECサイトでよくある離脱(カゴ落ち)の原因6つ
原因①:入力項目が多すぎる
いくら欲しい商品でも購入するまでに大きな手間がかかってしまうとユーザーは離脱してしまいます。
例えば、購入フォームで個人情報(住所)を入力し、決済登録でさらに情報(住所)を入力し、最後に商品購入の発送先として住所を入力する…ここまで同じ情報を入力させる導線になっているとユーザーは手間を感じてしまい、カートに商品を入れていても途中で離脱してしまいます。
ユーザーが購入しやすい導線になっているか、無駄な工程が入っていないか、一度振り返って見ることをおすすめします。
原因②:ページの表示速度が遅い
ユーザーがサイトへ訪問するためにリンクをクリックしてから、実際にウェブページが表示されるまでのタイムラグが大きくなるとユーザーの離脱率が高くなります。
Amazonの調査では「サイト表示速度が0.1秒遅くなると売上が1%減少し、表示速度を1秒高速化すると10%の売上が向上する」と言われています。特に近年はデバイスが進化したことで情報化社会が進み、消費者にとっては情報過多な状態が続いており、その結果ユーザーが「情報にアクセスし表示されるまでの待機時間」に対してストレスを感じるようになっています。
原因③:決済手段の選択肢が少ない
SBペイメントの調査によると、ECサイトでユーザーが求める決済手段がない場合、そのECサイトで購入せず別サイトへ離脱してしまう「カゴ落ち」は約60%と言われているようです。
また、後払い決済サービス「後払い.com」を提供するキャッチボール(東京都品川区)によると、ECサイトにおけるスマホ決済の利用動向について調査を実施した結果、ECサイトで利用したことのある決済手段では1位が「クレジットカード」(88.3%)、2位が「スマホ決済」(38.3%)であることが分かったそうです。
【ECサイトで利用したことのある支払い方法(出所:リリース)】
原因④:探してる情報が見つからない
ユーザーがサイトへ訪問する際は「Aという商品の金額が知りたい」「このサイトで購入したら送料はいくらなのか」など、何らかの目的をもってサイトを訪問しています。
そのためECサイトにおいては、ユーザーが見たい情報に辿りつくためのステップを短くしたり、求める情報がどこにあるか分かりやすくする必要があります。
原因⑤:購入プロセスが長い
商品をカゴにいれて、いざ購入しようと思った時に「アカウント登録」やログインが必要な場合、離脱率が高くなる傾向があります。
なんと、62.8%の人が、購入時のアカウント登録が面倒でネットショップで商品の購入をやめたことがあるという調査結果が出ています。
商品をカゴにいれた後、スムーズに購入ができるための仕組づくりや整備することをおすすめします。
引用:【実態調査】62.8%の人が、アカウント登録が面倒でネットショップでの購入をやめたことがある|株式会社マージェリック
原因⑥:送料や手数料が高い
カゴに商品をいれ、いざ購入しようとすると、決済画面では商品の本体価格の他に消費税や送料、手数料などが表示されます。
決済画面で表示される消費税、送料、手数料があまりにも高かった場合、決済画面での離脱率が高くなる傾向があります。
予想外のコストが追加されることが原因で離脱してしまうことを防ぐには、事前に消費税や送料、手数料等を明示しておくなどの対策ができるでしょう。
特に単価の低い商品では、商品の価格に対する送料や手数料の比率が大きくなると「もったいない」と感じてしまうユーザーは多くいます。あなたもそのような経験があるのではないでしょうか。
このような場合は、よく合わせて購入される商品を「セット商品」として販売することをおすすめします。単品で販売するよりも「購入単価」が上がることに加え、お得感を演出することができます。
原因⑦:比較検討した結果他社の商品を選択した
オンラインモールなどでは広告やモールの仕組み上比較検討しやすい構造となっており、結果、せっかく流入してくれたお客様でも他社商品へ流れてしまうことがあります。
他社への流入を防ぐ上で特に有効になるのは、クーポンや特典・WEB接客ツールを活用することです。モールへ出店している場合はクーポンや特典で他社にはない付加価値をつけること、自社サイトにおいてもWEB接客ツールを導入することで、状況に応じてクーポン発行やキャンペーン告知ができます。
また、チャット機能による接客や誘導も行えるため、かご落ちを防いで購買率を上昇させられる可能性が高いと言えます。
4.まとめ
ECサイトは離脱を減らすことで売上が劇的に変わる
今回ご紹介したように、ECサイトは離脱率を改善することで売上が劇的に変わります。離脱率改善に向けたステップをまとめると以下の3つです。
- まずはGoogleアナリティクスで離脱率の現状を把握
- 改善すべきページを決定する
- 想定される原因をもとにサイト改善を行う
ほんの少しの改善でユーザーの滞在時間が改善できます。積極的にサイト改善を行い売上アップを目指しましょう。
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